阿修羅とイダイケさん②
遂に、お経の録音が終わりました。
浅草は竜泉にある西徳寺は、故中村勘三郎さんの菩提寺でもあります。
韋提希夫人についても、お寺であーでもない、こーでもない、とご教授頂きました。
快く録音協力をご承諾頂き、僧侶の皆様に素晴らしい声とサンサンブルで、阿弥陀経と
観無量寿経を読経して頂きました。機材提供は3Dコンソーシアムの泉邦明さんです。
素晴らしい音で収録できました。どのように舞台に使われるのか、ご期待ください。
さて、パターチャーラーは今回、一人バージョンです。
なかええみ さんが、地謡とお囃子とともに、一人で演じます。これはある意味、すごいことです。
そのえみさんのパフォーマンスです。阿修羅の如くマヌを踊る様子です。
パターは、奔放に生き、当時のカースト制度の身分を超えて駆け落ちし、子ども、夫、親族のすべてを失います。
失ってもまだ美貌がある限り、男性に従属するほかありませんでした。
悲劇の末、気がふれて野山をさまよい狂女となってブッダのもとへたどり着きます。
心に燃える火を全て消してやすらぎを得ることとなります。
この日、お寺の婦人会の皆様に劇の魅力をお伝えするべく、嶽本が釈迦に説法ではありますが、舞台についてお話させていただきました。
韋提希夫人は、悲劇のヒロインではありますが、どうにも私には近所にいる人にしか思えないのです。
パターチャーラーも、心の赴くままに生きることを許されませんでした。
何が一体この構造を作っているのか?そのままにいることを許さないのは何か?
どうぞ、劇場で目撃してください。