プロキュストは誰だ?⑤ | メメントCの世界

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本日、「プロキュストの寝台」プレビュー開幕です。
年末の「パターチャーラー」の姉妹編でもあります。両方観たら納得です。

舞台稽古の様子です。幻想的なギリシャな天保時代の庄屋の家です。
本日、ほぼ完売です。
28日以降、お席ございます。是非、ご来場くださいませ。

パンフレットより抜粋でご挨拶です。

「プロキュストは誰だ?」  作・嶽本あゆ美

本日の舞台はギリシャではなく、天保時代の庄屋の家です。
幕末の日本各地には多くの民衆宗教が生まれました。ヒロインのモデルの一人である天理教の教祖・中山ミキは、ある日「世界一列を救う」と叫び始めます。どこからも西洋思想が入らぬ環境に生まれ、身分差別の厳しい封建社会、男尊女卑の世を生きた女が「全ての人は一列だ」と考えたのです。一体、彼女に何が起きたのか?

 神がかりだけでは説明出来ない「救済の祈り」に時代と世界の必然を感じずにはおれません。もっとも女性はいつの世も一段低い所から物を見るしかありませんが。

 実は本作は、拙作「太平洋食堂」の取材から生まれたものです。大逆事件に連座した僧・高木顕明の妻子は寺から放逐され、娘・加代子は十歳で芸者に売られました。その後、遠州一の売れっ子芸者になった加代子はある日、被差別者に尽くした父の如く弱者救済を始めます。彼女が見出した路は天理教。

 
 日本は幕末からたった半世紀で日露戦争に勝ち、欧米列強との植民地競争に参戦しました。それが文明の始まりなのか不幸の始まりか?そこから又、百年経ちました。さてプロキュストは誰でしょう?そして私達はいったいどこへ行くのでしょう?

お断りがあります。このドラマはフィクションという嘘を大量に含んでいます。ほんまの庄屋・善兵衛はええ旦那はんでした。ご検索下さい。

それにしても戯曲は舞台にならねば完成しません。硬派のテーマに取り組むPカンパニーさんに最大の感謝を、そして俳優・スタッフの皆様、劇団BDPの子役達の体当たりの演技にも大きな賛辞を。何よりも観客の皆様とのご縁に感謝いたします。