俳優紹介1 佐々木梅冶さんの巻 | メメントCの世界

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俳優紹介1

劇団民藝・佐々木梅冶さんの巻




今回、ヒロインの伯父・森宗助を演じる佐々木梅冶さんは、1973年 劇団民藝に入団され、劇団公演のほか、「子午線の祀り」(山本安英の会)、「夜明け前」(新国立劇場) など外部公演も多数されています。そして、なんと言っても、2003年から続けている、井上ひさし作「父と暮せば」の一人語りで、全国を御一人で軽々と公演。現在まで172ステージを数えているそうです。その他声優としても「チャングムの誓い」(トックおじさん)、「コールド・ケース」(ボス) など多彩な役を演じている方です。梅冶さん、と呼ばせて頂いている内に、間違えて役名まで「梅冶」になってしまいそうです。

 北海道出身の梅冶さんは、今回、ディープな熊本の八代方言でしゃべります。にゃんと、青年劇場の吉村直さんと友達なので、熊本出身の吉村さんに方言を吹きこんでもらって、叩き込んだそうです。吉村さんは、太平洋食堂で高木懸命を演じたおじさんです。
梅冶さんの役作りの凄さは行動力です。なんたって私が五木村に行く前に、ご自身の熊本公演のついでとはいえ、山また山の五木村、しかもモデルの尾形茂さんに突撃訪問をしに行かれた位です。びっくりしました。
 そして、稽古場に現れた時、既に「梅冶」は「宗助」になっておりました。農協ルックと勝手に私が呼んでいるコーディネートに、地下足袋、籠、農機具、キセルで、明日本番でも困らないぞ!という完璧度です。こんなすごい俳優さんを私が見たのは、市村正親さん位です。ちなみに市村さんは「エクウス」の少年役で「僕は全裸になるから」と言って、長野県大町市の河原で全裸で日光浴をしていました。対岸に居たのでびっくりしました。ちょっと、違いますかね。
 そして、梅冶さんの歌う正調「五木の子守唄」は哀愁に満ちて一瞬で、五木村にトリップできます。私は、熊本リーディングでは、リコーダー笛で尺八風の五木の子守唄を吹こうと練習をしていましたが、梅冶さんの唄を聞いて止めました。梅冶さんはいぶし銀の渋い声と切れの良い動作で、年齢を感じさせません。稽古場のオジサン・パラダイスで睨みを利かせています。そしてきっと客席を泣かせまくってくれるでしょう。本当に楽しみです!!!


○これからの出演
☆舞台
11月26日(水)27日(木) 全段通しリーディング「仮名手本忠臣蔵」(大星由良助)浅草木馬亭
12月14日(日)東淀川、18日(木)19日(金)新潟 芝居一人語り 井上ひさし作「父と暮せば」