これも、昔読んだ雑誌だか、本だかで印象に残った話デス
─ある犯罪者の話─
若い男が犯罪を犯しました
殺人です
彼は自分の犯した罪の重さを少しも感じませんでした
終始ふてぶてしい態度で、反省の色をこれっぽっちも見せませんでした
また、それだけではなく、被害者の遺族に対して罵倒の言葉さえ発してました
それを知った彼のご両親は酷く心を痛め、悲しみの淵に落とされました
それでも、その殺人者の心は変わりません
ある日、自分の息子の罪の深さに嘆き苦しんだ父親は、その重さと苦痛で自殺をしてしまいました
その事実を耳にした殺人者は、ショックのあまり泣き崩れました
それからというもの、彼の態度は一変して反省の色が浮かぶようになりました
彼は自分の親が死んだことによって、人が死ぬということがどんなに悲しいのかを知ったんですね、罪を知ったんですね
感慨深い話です
自分の身近な人間に対して、とかく死を想像することを避けます
ひとりの人間の裏には、たくさんの人間が繋がっていることを忘れてしまいます
最近、親族の殺人が多く何かが狂っている気がします
遠い昔は、家族には年寄りがいました
年寄りは、若い夫婦が昼間、畑仕事をしている時、子供に昔話や伝記や童話などの話を話してきかせ、その話をきいた子供は怖がったり、泣いたり、笑ったりして感情が育ったそうです
ご近所が、先生が、大人が、先輩が、悪いことは悪いと叱る、良いことは褒める、そうやって心が育ったそうです
そして、年寄りは最後の役割を経て、天に召されます
死を子供たちに見せて
死というものを学ばせてです
これで、子供たちは人間が死ぬというこは、悲しいこと、周りも悲しむということを知ります
早い話が、道徳ですね
良心とは?
今の時代が悪で、昔が良と判断したら極端です
今も昔も、良いところと、悪いところをちゃんと把握して生きていきたいものです