スウェーデンのミステリー小説を映画化。
2009年にスウェーデンで一度映画化され、三部作として公開されている。
本作はそのハリウッド版、監督はデヴィッド・フィンチャー。
スウェーデン版は凡作ミステリー映画だったので巷で高評価されてるのは
リスベットというキャラありきの評価だろう。内容自体は火サス並。
続編が２本あるがそれも本当につまらない。
それをフィンチャー監督がどう料理したのか大期待だったが…
（ネタバレ含む）
オープニングクレジットはレッド・ツェッペリンの「移民の歌」のアレンジで
格好良かったが、後から考えるとオープニングのテンションと本編に落差がありすぎて
浮いてしまっている。
映像は綺麗なものの脚本に難有りでスウェーデン版に比べると
非常に解りづらい展開。（実は本作の方が原作に近いらしい）
ツッコミ処も満載なのだが何点が上げると
ヘンリックの爺さんは40年もの間何を1人で調査してたのか？
ほとんど収穫無し（スウェーデン版はちと違う）、ミカエルの調査力なら１週間レベルだろう。
押し花のプレゼントの送り主が40年もわからなかったのか？
送った相手はプロの犯罪者でもあるまいし…。
ヴァンゲルグループの力でそれぐらい調査出来なかったのか？
犯人があからさまに怪しすぎｗ
スウェーデン版もそうだったがラスト車に乗ってどこに逃げるつもりだったんだろう？国外？
前半ヴァンゲル家の登場人物説明に時間をさいた割に
実のところ本編にあまり絡んでこないｗ
リスベットがミカエルに協力する理由もスウェーデン版に比べると弱い
後半のラノベレベルの恋愛シーンはリスベット像を変更した結果なのだろうが
内面が見えないので解りづらい。
ハリエットの脱出計画も非常に解りづらい、あんな簡単に偽名で暮らせるのか？
とにかく納得いかない展開がチラホラ。
それでもフィンチャー版がスウェーデン版に勝る部分もある。
画が退屈しないので２時間３０分超えの尺でもテンポ良く見られるのだ。
犯人役は他作品で時々見かける脇役専門の役者だが
演出が良いので非常に不気味に見せる事に成功してる。
実際地下室のシーンは結構怖い…。
ダニエル・クレイグやルーニー・マーラその他の役者も好演。
リスベット像がスウェーデン版と違うのも興味深い。
演出力は高いなフィンチャー。
つまりスウェーデン版の脚本でやってくれりゃ良かったという事かな。
続編もあるようだが、スウェーデン版続編がつまらなかったので
ぜひオリジナル展開でやって貰いたい。