レフトアップルではないが、1970年前後にプレスされた盤かな。

20年ほど前に、横浜関内DUにて2980円だったのを覚えている。

毎週、散歩代わりにレコ屋巡りをしていた時代。

 

初めてビートルズが好きになった16歳の時から、

このアルバムが苦手だった。終わりを感じさせる寂しさが嫌だった。

独善的なポールが嫌だった。埋め草的なメドレーが嫌だった。

そっぽを向いているジョンも、変なシンセを使うジョージも。

リンゴのドラムソロでさえも。

 

滅多に針を落とさない本盤が、最近気になっている。

いや、好きになっている。

この控えめで大人しい、音質が70年代の先取りであることに。

バラバラで冷徹ですらある、この空気感が。

 

俺のビートルズはホワイトアルバムで終わった。

いや、ビートルズなんて、サージェントとホワイトだけで充分だ。

(マジカルを忘れてました)

 

ビートルズを好きという、嫌いという。

まるで親との関係みたいだ。親離れはいつかしないといけない。

中年になり、親の有難さに気付く。

 

70年代の音像をいち早く提示した、ビートルズ。

未だ以て、ビートルズのヒップさは、私の住む、

田舎町では充分に有効である。

 

娘の通う、中学校の吹奏楽部の定期演奏会で涙を流した

今の私に、ジョンのアイ・ウォント・ユー。は充分に挑発的な音楽である。