2024. 8. 18  読売新聞

「広角 多角」近藤雄二 (編集委員) 氏


パリ五輪が終わりました。

いろいろ問題ありの大会でしたが、、

やはり日本選手が活躍すると、見入ってしまう!

そして、、感動と学び。

読売のこの記事、同感すること多かったです。





〝諦めない、やりぬく大逆転の「金」に学ぶ〟



勝者の笑顔に勇気をもらい、敗者の涙に胸を打たれる。

4年に1度の、今回は異例の3年ぶりだった夏季五輪が終わった。

花の都パリでの熱戦を見届けようと、未明のテレビにかじりついた方々は、そろそろ「時差ボケ」が解消され、「五輪ロス」を感じている頃か。


海外の五輪では、日本勢が2004年アテネ大会の16個を上回り、過去最多の金メダル20個を量産したパリ大会。

各競技で奮闘した選手たちの残像が思い浮かんでくるが、特に印象に残ったのが絶対絶命からの逆転劇だった。


◇◇◇


まずは、スケートボード男子ストリートで金メダルをつかんだ堀米雄斗選手。

一発の技を競う「ベストトリック」で最後5回目の試技を迎え、7位のメダル圏外にとどまっていた。


そこで挑んだのが、実践で成功したのはこれまで1度という「ノーリーバックサイド270テールブラントスライド」。

レールへ飛び上がりながら、背中側に270度横回転し、板の端をレールにかけて滑り降りる高難度の離れ技だ。


それまで続けて失敗していたが、土壇場でも挑戦。

ひらりと舞ってレールを捉えると、シャツをひるがえして滑り降り、ピタッと着地を決めた。

普段はクールな堀米選手が、思わずほえた完璧な試技。

一気にトップに立ち、東京大会に続く2連覇を遂げた。


「少しの可能性、1%の可能性を最後まで信じた」と堀米選手は言った。

ただ信じたのではない。

決勝では他選手の試技の合間も、何度も挑んでコンクリートにたたきつけられていた。

挑み、転び、最後の最後までできる限りの調整を突きつめ、信じるに足る1%の光を見つけていたからこその、ミラクルだった。


◇◇◇


くしくも同日、体操男子団体総合の日本も、奇跡的な逆転勝利をつかんだ。



つづく〜