〜つづき



桐蔭横浜大特任教授 ・宮坂力 氏

(みやさか・つとむ  1953年生まれ・70)


▲研究室で手のひらサイズのペロブスカイト太陽電池を掲げる宮坂氏、ノーベル賞候補としても知られる。




私の研究室にいたある中国人研究員は、帰国後に友人とベンチャー企業を設立すると、地方政府の助成や大企業の協賛を受けてあっという間に16億円を集め、工場を作りました。

ペロブスカイト太陽電池の量産を目指し、さらなる事業の拡大に取り組んでいます。


日本は高性能の生産技術を確立して確実な収益を見込めない限り、設備投資に慎重です。

一方、中国は開発途上でも設備を買って生産体制を整え、市場の独占を狙う

政府だけでなく、最先端の技術には多額の資金協力を惜しまない個人投資家や銀行が多いことが、中国にリードを許す要因になっています。


◇  ◇  ◇


ペロブスカイト型は耐用年数が10年程度と短く、大型化が難しいという弱点が残されています。

ただ、大量生産が始まればその世界市場規模は、35年に現在の10倍以上の1兆円に達するとの予測もあります。

今こそ日本は持てる技術力を結集して巻き返しを図らなければなりません。


日本には太陽電池を巡る苦い経験があります。

約20年前まで、シリコン型太陽電池の生産量で世界トップに立っていたのに中国に取って代わられました

企業別の世界シェア (占有率) もかつては、10位以内に日本企業が3社入っていましたが、今では中国が独占しています。

中国政府による全面支援をバックに価格競争を仕掛けられたためです。


中国は、ペロブスカイト太陽電池の開発でも同じように主導権を握ろうとしています。

中国製のフィルム型ペロブスカイト太陽電池を分解して性能を精査したことがありますが、変換効率は10%程度で日本製よりも低性能でした。

また、中国の9割以上のメーカーはフィルム型ではなく、硬くて重いガラス基板を使ったペロブスカイト型を製作しており、軽くて曲げられる利点を生かせていません


〜原料はすべて国産。

 安全保障の面からも重要〜


日本の強みは、企業の技術力の高さと製品の品質の良さです。

ペロブスカイト太陽電池の研究開発量産化に力を注げば、日本の新たな主要産業として育てることも夢ではありません。


また、原料のヨウ素は日本がチリに次いで世界2位の生産国で、世界全体で採取可能なヨウ素の8割は日本にあると言われます。

シリコン型を作るには、レアメタルのガリウムなどシリコン結晶の原料を海外から調達する必要がありますが、ペロブスカイト型はすべて国産の原料で作れます。

ロシアのウクライナ侵略など世界情勢が不安定となる中、エネルギー自給率がわずか12%の日本にとって、ペロブスカイト型の普及はエネルギー安全保障の面からも重要でしょう。


中国をはじめ海外勢に市場を席巻される前に官民を挙げて積極的な事業参画投資の拡大図ることが大切だと考えます。


(社会部 矢野恵祐 氏)




〈ペロブスカイト太陽電池、日本にとってまさに天祐、夢の新製品ではないですか!

原料のヨウ素の生産が世界2位で、採取可能の8割が日本にあるとは!

それと、曲げられるフィルム型太陽電池というのは、なんかテレビで見たような気がするし、その富士フイルムの株が高騰したという情報も記憶があるのは、こういう事情があったからなんですね。


中国、、宮坂氏の中国人研究員の話はやっぱりという感じ。

中国からの留学生等、ほとんどスパイである…スパイになり得る、と考えて対処すべき。 

大学も企業も中国人をシャットアウトするのが一番いい、、そのくらいの強硬手段が必要。

日本の新発明に対する決断・行動の遅さも大問題ですが、これ、性格だからなかなか変われない、、とするならば、それらを盗まれないようにガードを固くするしかない。

慎重な性格を、そこにこそ生かさなくては!

そんな失敗、今までも数えきれないほどしてきているはず、、中国だけでなく韓国なども。

分かりやすいのは、〝イチゴ〟や〝シャインマスカット〟の例。

ずっと歴史をさかのぼれば、ノーベル賞界隈で米国や他の白人国家に同じようなことをされている。

…お人好しすぎるんだよね。


ペロブスカイト太陽電池の主導権を握ることができるかどうかは、今後の国の浮沈を決定するかもしれない問題と感じるので、教授が発言されているように、官民挙げての事業参画と投資の拡大を推進していかねば!

岸田首相は2025年の市場投入を目標に掲げ、実証事業に乗り出す企業も現れているそうですが、、とにかくスピードアップなのだ!!