〜つづき
自然と隔絶された都会の現代人は実感しにくいが、
「人間社会と文明は健全な生態系があって初めて持続する。
生態系が崩れると、最初にしっぺ返しを受けるのは人間自身だ」
と五箇氏は強調する。
地球上の動物はこれまでも何度も大量絶滅の危機を繰り返してきた。
大規模なケースは、巨大隕石の衝突で恐竜が姿を消した白亜紀末の絶滅など計5回あり、現在はこれに次ぐ大量絶滅が懸念されている。
東北大の海保邦夫名誉教授 (生命環境史) が、過去の大量絶滅との比較で推計した将来予測では、このままだと今世紀後半に絶滅のピークが訪れ、動物種の最大10%が絶滅するという。
さらに米露の全面核戦争が起きた場合、都市の炎上で生じた大量のすすが成層圏を覆い太陽光が遮られ、「核の冬」と呼ばれる地球寒冷化が起き、絶滅率は最大50%に跳ね上がる。
海保氏は
「核戦争は巨大隕石の衝突にそっくりだ。
ゾウやキリンなど多くの大型哺乳類が絶滅し、多様性の回復には100万年かかるだろう」
と警告する。
進む復活研究
さまざまな絶滅危惧種の細胞を冷凍保存し、将来に備えるタイムカプセルのようなプロジェクトが世界で行われている。
「ノアの箱舟」の現代版だ。
保存した細胞から人工多能性幹細胞 (iPS細胞) を作り、精子と卵子を作成して個体の誕生につなげる。
技術的な難度は高いが、世界で雌2頭しか生き残っていないキタシロサイで実現が期待されている。
成功すれば画期的だ。
絶滅動物の復活計画
国内種の細胞を保存する国立環境研の大沼学主幹研究員 (野生動物医学)!は、
「絶滅したとき復活できるように最後の砦として準備しておく。
ただ、細胞が使われないのが一番いい。
環境保全と一緒に対策を進めることが大切だ」
と話す。
既に絶滅した動物を遺伝子操作の技術で「復活」させる構想もある。
米ハーバード大は永久凍土で見つかったマンモスの細胞から遺伝情報を解読し、マンモスの特徴を持つゾウをゲノム編集で作る計画だ。
リョコウバトやタスマニアタイガーと呼ばれる有袋類でも類似の研究が行われている。
だが古い細胞や剥製のDNAは傷んでおり、遺伝情報の完全な解読は難しい。
似たような生き物を作っても復活とはいえない。
作る目的は環境保全や生態系の復元とされるが、本来とは生態系が異なる生き物になってしまう恐れもある。
そもそも現在の野生環境で生きていけるだろうか。
野生動物の絶滅がもたらすリスクについて国際的な議論が始まったのは、人類史の中ではごく最近のことだ。
生物多様性の大切さは20世紀に認知されたが、絶滅はむしろ加速している。
深刻なのは野生動物の宝庫である熱帯雨林の伐採だ。
背景にある先進国との貧富の格差、過度なグローバリズムなどの問題を解決するのは容易ではない。
自然の改変と豊かさへの欲求は人間の本性だ。
動物の絶滅を避けることが難しい本質的な理由はそこにある。
人類はこのまま自滅への道を突き進んでいくのだろうか。
〈まず、〝動物を食べることで脳が大きくなる進化…〟という一文。
これは初知りだ、、本当か?
脳の物理的に大きくなることが進化、か?
〝核戦争は巨大隕石の衝突にそっくり〟
これは、なるほど!と思いました。
核爆弾は核というミクロの粒の衝突らしいから、マクロとミクロ…ここでも同じことが起こるんだ。
絶滅動物の復活、クローンを作っても、今の野生環境で生きていけるのか、、これもハッと、させられました。
それにしてもあの「ジェラシックパーク」のようなことを、現実にやろうとすれば可能な時代に来たのか、、
人間の尽きぬ〝欲望〟がある限り、動物の絶滅は避けられない…?
動物を始め、同じ人間同士に対しても〝思いやり〟〝愛情〟があれば、絶滅させなくても済んだはずなんだけど、、本当は。
欲望、、支配欲とともに憎しみ、復讐心…
そういったものを〝人間〟がコントロールできなければ、人間を含めた動物等すべてを絶滅させてしまうのだろう、、
今のところ、あまり希望は感じられないです〉