コロナワクチンとヤコブ病/中村 篤史/ナカムラクリニック (再掲)
https://note.com/nakamuraclinic/n/n911ab54df84e
https://note.com/nakamuraclinic/n/nf27ea353919b
・コロナワクチンとヤコブ病
中村 篤史/ナカムラクリニック
2022年2月4日
※クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)という病気がある。
脳に異常なタンパク質(プリオン)が蓄積するプリオン病の一種で、牛でいうところの狂牛病に相当する。行動異常、性格変化、認知症、歩行障害などで発症し、数か月の経過で急速に進行し、多くの場合半年以内に寝たきりになり死亡する。発症頻度は100万人に1人と極めてレアである。
100万人に1人というのは、数十年医者をしていても、まずお目にかかることがない頻度で、そのため仮に臨床でヤコブ病の患者に遭遇したとしても、見落とす可能性もかなり高い。というか、ヤコブ病を疑う医者に出会えれば僥倖である。
しかし、コロナワクチンの集団接種が始まって以来、この病気が世界中で多発している。以前の記事で紹介した画像だが、繰り返す。
アメリカで多発しているし、韓国でも報告が上がっている。
具体的には、たとえばこのような経過をたどる。
認知機能の低下に加えて、全身の筋力が低下する。嚥下筋の筋力低下により食事がとれなくなるし、呼吸筋の筋力が低下すると呼吸ができなくなる。最終的にはこのあたりが命取りになる。
日本では今のところ、ワクチン接種後にヤコブ病を発症したとする報告はない。しかし報告がないということは、存在しないということではない。認知機能低下やうつ症状などから精神科を受診し、認知症なりうつ病なりの診断を受けたとして、しかし、なぜか身体機能も低下していく。その点を医者に訴えても、「家にじっと引きこもってるせいですよ。もっと体を動かしましょう。ウォーキングなんかいいですよ」とか的外れな助言をされて、そうこうしているうちに症状は急速進行して寝たきりになり、死に至る。適切な診断を下されないまま亡くなった患者が、無数にいるものと思われる。
個人的な話をすると、僕はこの3ヶ月で、2人のヤコブ病患者から相談を受けた。正確には、本人は症状で身動きできないため患者家族からの相談だが。
【症例】60代女性
【経過】元来健康で、家事、仕事(事務職)とも何ら問題なくできていた。
昨年9月ファイザーワクチンの2回目を接種した。11月頃より言葉が出なくなり、同僚に仕事の引継ぎができないなど、自分でも異変を感じていた。
12月、心身ともに調子が悪いことから救急病院を受診。異常なしと言われる。
後日心療内科を受診し、うつ病と診断された。今年に入ってからも症状は悪化する一方で、幻覚、幻聴が出現したことから、精神病院に入院した。
単なる統合失調症ではないと感じた主治医がMRIを撮ったところ、クロイツフェルト・ヤコブ病の画像所見と矛盾しない。また、体を動かせない、食べることができない(嚥下困難)、話せない(認知機能低下)など、急速に進行する臨床症状も併せて、クロイツフェルト・ヤコブ病と診断された。現在、すべてにおいて介助が必要である。食事の自力摂取ができないことから、経鼻栄養チューブを使用。
まず、ヤコブ病を鑑別にあげることができただけでも、優秀な医者だと言うべきだろう。ヤコブ病というのは、ほとんどの医者にとって「学生時代、国家試験対策にそんなの覚えたなぁ」程度の認識に過ぎないから。
ヤコブ病の可能性を指摘された上記患者の家族は、ネットで情報を調べるうちに、僕の記事『ナイアシンとプリオン病』を見つけた。
そして、主治医に僕の記事を見せ、「ナイアシンなどのサプリを飲ませてもいいか」と尋ねた。主治医は「ご自由にどうぞ」と答えた。
たとえば癌だと、こういうふうにすんなりとはいかない。お上の推奨する標準治療(抗癌剤、放射線、手術)があるので、「サプリを飲んでもいいですか」などと聞くと、「治療効果が分からなくなるからダメ」と言われるのがオチである。
しかしヤコブ病については、厚労省の『プリオン病診療ガイドライン』にもあるように、「CJDの治療法はない」。ひとたび罹患したとなれば、座して死を待つのみ、である。治療法がないということを厚労省が正式に認めているのだから、主治医も「民間療法でも何でもやっていい」とゴーサインを出したわけだ。
この主治医、ヤコブ病を見抜いた点ではすばらしい医者だったが、しかし、コロナワクチンへの盲目的な信頼という点では、そこらへんのつまらない医者だった。「コロナワクチンで起こり得る副作用として、CJDの記載はない。だから、ワクチンのせいでCJDになったとは言えない」と、因果関係は頑として認めない。
しかしサプリを認めてくれただけでも、よしとすべきかもしれない。カプセルタイプのサプリであれば、カプセルを割れば粉が出てくるから、それを経鼻チューブ経由で栄養剤と一緒にいれてやればいい。
ナイアシン、ルンブロキナーゼ、ゼオライト、5ALAあたりを試そうかと思っているが、果たしてどの程度効くか、分からない。しかし僕としては、一通りやれることをやって、少しでも症状の進行を遅らせることができれば、と思っている。
コロナワクチンの大規模接種が始まって以後、ヤコブ病の発症者が明らかに増えている。
しかし、100万人に1人の病気の発症率が仮に100倍に増えたとしても、1万人に1人である。増えているとはいえ、それでも、珍しい病気には違いない。
僕はいつも、患者のことをブログに書くときには、匿名にするのはもちろん、本質に関係ないところでは詳細を変えているが、これだけ発生頻度の低い病気であっては、その病気にかかったということだけで、本人の特定につながりかねない。だから、上記の患者を記事にすることにためらいがあった。
しかし、患者家族はこんなふうに思っていることを知った。「妻はこの病気のために仕事をやめましたが、病気がなかったとしても、年内には退職するつもりでした。これまで仕事でバタバタと忙しかったものですから、退職して家族とゆっくりと過ごそう、第二の人生を始めようと思っていたんです。そんな矢先にこういうことになりました。コロナワクチンの接種によってこんなことが起こるのだということを、広く知って欲しいと思っています」
ワクチン被害者の家族として、たとえばテレビや新聞などの取材があったとしても、応じる覚悟だ。
悲劇はいつも、事後的である。誰かが声をあげることで、そしてその声が誰かの耳に届くことで、少しでも悲劇を減らすことができればいいのだけれど。
ワクチン接種後にひどい副反応が生じたとしても、それをPMDAに報告するかどうかは、医者の胸ひとつである。
医者が認めない副反応は、社会的には、存在しないのと同義である。ワクチン接種後に100万人の1人という極めてレアな発症率の病気を生じたとしても、また、そういう病気が接種者の間に多発していたとしても、医者が報告しない限り、因果関係もへったくれもない。
【症例】60代女性
【発症の経緯】2021年7月1日と7月23日に集団接種会場でファイザー社製ワクチンを受けた。
9月頃より、仕事(事務職)のとき、「うまく仕事ができない気がする」と言い始めた。9月半ば、「自分は認知症ではないか」と思い、近医の物忘れ外来を自ら受診した。簡単な記憶力検査やMRI検査を受けたが、異常所見なしということで経過観察となった。
めまいがひどくなってきて、歩行にも差し支えるようになってきたため、10月初旬、耳鼻科を受診したが、特に異常なしと言われた。
10月4日、ふらつきのため、何かにつかまらないと歩けなくなり、再度耳鼻科を受診した。本人のすぐ左側に娘がいても、娘がまったく視野に入らないなど、左側の視野欠損を指摘された。持病の緑内障が悪化したと思って、眼科に行ったところ、眼科医が血相を変えて、「いや、それどころじゃない。重篤な病気が隠れている可能性があるから、すぐに
総合病院の脳外科を受診したほうがいい」
紹介された脳外科を受診し、各種検査を受けたところ、クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)の可能性を指摘された。主治医が言う。「一度入院したら、恐らく退院することはありません。家での身辺整理もあるでしょうから、一週間の猶予をあげます。一度家に帰って、心の整理などつけて、覚悟を決めてから来週入院してください」
医者はヤコブ病がどういう病気であるか、一応の知識があったために、このように助言をしたものと見える。しかし、この病気の進行スピードについては、やや見積もりが甘かったようだ。患者は医者の助言をいれて家に帰宅したものの、身辺整理をする余裕などとてもなかった。歩行機能がすみやかに衰え、日中に意識消失発作が見られるようになった。10月5日の朝には、かろうじて自力歩行できていたが、その日の夕方には歩けなくなり、車椅子の使用を余儀なくされた。症状は「日ごとに悪化」するどころか、「1時間おきに悪化」した。それほど急速な進行だった。結局、医者がくれた1週間の猶予期間は「長すぎる」ということになった。在宅で過ごすことさえできなくなり、入院日を早めてもらうことになった。
入院後も、症状の進行は止まらない。11月に入って自力での食事摂取が困難となり、11月15日より経鼻栄養を開始した。
次第に自分の意思で指を動かすこともできなくなり、現在、ほぼ意識なし。意思疎通はとれない。
家族(娘さん)の話
「昨年末までお見舞いに行っていましたが、今はコロナの関係で面会禁止となりました。これって、あんまりじゃありませんか?母はいつ死ぬか、分かりません。明日にも死ぬかもしれません。母の人生最後の日々を、そばで過ごしたい。家族のそういう願いも、病院は聞き入れてくれません。私、病院に抗議して、けっこうやり合いました。でも、病院の提示するぎりぎりの妥協案は、「もうすぐ臨終、という状況になったら連絡する。ただし、その際も面会は一人まで」と。さすがに怒りが湧きました。許せない。こんなの間違ってる。「感染症対策」が名目なら、本当に何でもありって感じです」
確かにおかしいと思う。感染対策としてそこまで面会を制限するだけの科学的根拠は一体何なのか?病院側に説明を求めたい。
こういうデタラメを吹っ掛けられたら、コロナワクチン駆け込み寺に相談してください。
https://567kyusai.com/
「もうひとつ、おかしいのは、母のこの状態について、主治医がワクチンとの因果関係を認めないことです。
CJDの確定診断は出ています。入院中、神経内科の専門病院に転院して、そこで検査を受けて、CJDと正式に診断されました。
主治医に言いました。「ワクチンのせいではないですか?」何度聞いても、はぐらかされます。あまりにもうっとうしいと思ったのか、ついにCJDの診断自体を否定する始末。「私はCJDではないと思う。CJDは潜伏期間が何十年もあるものだから、ワクチン接種から1、2か月で発症というのはあり得ない」と。
私は、「そういうことなら、病名は何でもいいです。浮動性のめまいとか、そういうのでもいいから、副反応報告にあげてもらえませんか」と言いました。
私としては、とにかく、母がワクチンのせいで被害を受けたんだと認めて欲しかった。CJDがあまりにも珍しい病気なので認めてもらえないのなら、仕方ない。でも少なくとも、ひどいめまいに苦しんでいたことは事実なんだから、そこだけでも認めて欲しかった。でも主治医は、そこさえ認めてくれないんです」
一体、どういうつもりなのか?主治医先生は何を考えているのだろう?純粋に聞いてみたい。怠惰なのだろうか?被害報告を書くのがめんどくさいのだろうか?何か責任を負わされるのが怖いのだろうか?
「私、表に出てもかまわないと思っています。病院の対応、主治医の態度。ひどすぎます。黙っていられません。健康だった母が、今にも死のうとしている。悔しくて、腹立たしくて。この怒りをどこにぶつければいいのか、分かりません。私、戦いたいんです。
きちんと報道してくれるのであれば、メディアの取材にも応じるつもりです。何日か前に先生が書かれたブログ、見ました。世の中には、ワクチン接種後にヤコブ病に罹患しながらも、患者はもちろん、医者も気付かないままに亡くなっていく人がたくさんいると思います。私が声を上げることで、気付く人が少しでも増えるのなら、意味があると思います」
100万人に1人の難病が、ワクチン接種後にまた一人。
僕はヤコブ病の患者を、最近続けざまに見ている。疫学的に考えれば、ありえないほど低い確率の事象に遭遇していることになる。
ワクチン接種によってこの病気が起こり得ることを広く世に知らしめるためには、まず、医者が被害報告を国にあげてくれないといけない。しかし、医者は頑としてそのつもりがないようだ。
とりあえず、近日中に僕の方から主治医に連絡をとることにする。そして、なぜ報告を国にあげないのか、直接聞いてみよう。こうして話し合い、事が進み、お互いが納得できれば一番早い。
話し合いが決裂すればどうなるか?あまり気は乗らないが、法律を使う戦いが必要になるかもしれない。
同時に並行して、世間の人々に周知していく活動も大事だろう。「コロナワクチンを打てば、100万人に1人の難病にかかるかもしれないんだよ」と伝えていく。これは、決して反ワクチン活動ではない。ワクチンを打とうかどうか悩んでいる人も、起こり得る副作用を知ったうえで打つべきで、そういう人への単なる情報提供である。
ワクチン接種に飛びついて、ヤコブ病にかかり、「こんなことになると知っていれば、打たなかったのに」。
そういう不幸を、少しでも減らさないといけない。
中村 篤史/ナカムラクリニック
https://note.com/nakamuraclinic/n/nf27ea353919b
・コロナワクチンとヤコブ病
中村 篤史/ナカムラクリニック
2022年2月4日
※クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)という病気がある。
脳に異常なタンパク質(プリオン)が蓄積するプリオン病の一種で、牛でいうところの狂牛病に相当する。行動異常、性格変化、認知症、歩行障害などで発症し、数か月の経過で急速に進行し、多くの場合半年以内に寝たきりになり死亡する。発症頻度は100万人に1人と極めてレアである。
100万人に1人というのは、数十年医者をしていても、まずお目にかかることがない頻度で、そのため仮に臨床でヤコブ病の患者に遭遇したとしても、見落とす可能性もかなり高い。というか、ヤコブ病を疑う医者に出会えれば僥倖である。
しかし、コロナワクチンの集団接種が始まって以来、この病気が世界中で多発している。以前の記事で紹介した画像だが、繰り返す。
アメリカで多発しているし、韓国でも報告が上がっている。
具体的には、たとえばこのような経過をたどる。
認知機能の低下に加えて、全身の筋力が低下する。嚥下筋の筋力低下により食事がとれなくなるし、呼吸筋の筋力が低下すると呼吸ができなくなる。最終的にはこのあたりが命取りになる。
日本では今のところ、ワクチン接種後にヤコブ病を発症したとする報告はない。しかし報告がないということは、存在しないということではない。認知機能低下やうつ症状などから精神科を受診し、認知症なりうつ病なりの診断を受けたとして、しかし、なぜか身体機能も低下していく。その点を医者に訴えても、「家にじっと引きこもってるせいですよ。もっと体を動かしましょう。ウォーキングなんかいいですよ」とか的外れな助言をされて、そうこうしているうちに症状は急速進行して寝たきりになり、死に至る。適切な診断を下されないまま亡くなった患者が、無数にいるものと思われる。
個人的な話をすると、僕はこの3ヶ月で、2人のヤコブ病患者から相談を受けた。正確には、本人は症状で身動きできないため患者家族からの相談だが。
【症例】60代女性
【経過】元来健康で、家事、仕事(事務職)とも何ら問題なくできていた。
昨年9月ファイザーワクチンの2回目を接種した。11月頃より言葉が出なくなり、同僚に仕事の引継ぎができないなど、自分でも異変を感じていた。
12月、心身ともに調子が悪いことから救急病院を受診。異常なしと言われる。
後日心療内科を受診し、うつ病と診断された。今年に入ってからも症状は悪化する一方で、幻覚、幻聴が出現したことから、精神病院に入院した。
単なる統合失調症ではないと感じた主治医がMRIを撮ったところ、クロイツフェルト・ヤコブ病の画像所見と矛盾しない。また、体を動かせない、食べることができない(嚥下困難)、話せない(認知機能低下)など、急速に進行する臨床症状も併せて、クロイツフェルト・ヤコブ病と診断された。現在、すべてにおいて介助が必要である。食事の自力摂取ができないことから、経鼻栄養チューブを使用。
まず、ヤコブ病を鑑別にあげることができただけでも、優秀な医者だと言うべきだろう。ヤコブ病というのは、ほとんどの医者にとって「学生時代、国家試験対策にそんなの覚えたなぁ」程度の認識に過ぎないから。
ヤコブ病の可能性を指摘された上記患者の家族は、ネットで情報を調べるうちに、僕の記事『ナイアシンとプリオン病』を見つけた。
そして、主治医に僕の記事を見せ、「ナイアシンなどのサプリを飲ませてもいいか」と尋ねた。主治医は「ご自由にどうぞ」と答えた。
たとえば癌だと、こういうふうにすんなりとはいかない。お上の推奨する標準治療(抗癌剤、放射線、手術)があるので、「サプリを飲んでもいいですか」などと聞くと、「治療効果が分からなくなるからダメ」と言われるのがオチである。
しかしヤコブ病については、厚労省の『プリオン病診療ガイドライン』にもあるように、「CJDの治療法はない」。ひとたび罹患したとなれば、座して死を待つのみ、である。治療法がないということを厚労省が正式に認めているのだから、主治医も「民間療法でも何でもやっていい」とゴーサインを出したわけだ。
この主治医、ヤコブ病を見抜いた点ではすばらしい医者だったが、しかし、コロナワクチンへの盲目的な信頼という点では、そこらへんのつまらない医者だった。「コロナワクチンで起こり得る副作用として、CJDの記載はない。だから、ワクチンのせいでCJDになったとは言えない」と、因果関係は頑として認めない。
しかしサプリを認めてくれただけでも、よしとすべきかもしれない。カプセルタイプのサプリであれば、カプセルを割れば粉が出てくるから、それを経鼻チューブ経由で栄養剤と一緒にいれてやればいい。
ナイアシン、ルンブロキナーゼ、ゼオライト、5ALAあたりを試そうかと思っているが、果たしてどの程度効くか、分からない。しかし僕としては、一通りやれることをやって、少しでも症状の進行を遅らせることができれば、と思っている。
コロナワクチンの大規模接種が始まって以後、ヤコブ病の発症者が明らかに増えている。
しかし、100万人に1人の病気の発症率が仮に100倍に増えたとしても、1万人に1人である。増えているとはいえ、それでも、珍しい病気には違いない。
僕はいつも、患者のことをブログに書くときには、匿名にするのはもちろん、本質に関係ないところでは詳細を変えているが、これだけ発生頻度の低い病気であっては、その病気にかかったということだけで、本人の特定につながりかねない。だから、上記の患者を記事にすることにためらいがあった。
しかし、患者家族はこんなふうに思っていることを知った。「妻はこの病気のために仕事をやめましたが、病気がなかったとしても、年内には退職するつもりでした。これまで仕事でバタバタと忙しかったものですから、退職して家族とゆっくりと過ごそう、第二の人生を始めようと思っていたんです。そんな矢先にこういうことになりました。コロナワクチンの接種によってこんなことが起こるのだということを、広く知って欲しいと思っています」
ワクチン被害者の家族として、たとえばテレビや新聞などの取材があったとしても、応じる覚悟だ。
悲劇はいつも、事後的である。誰かが声をあげることで、そしてその声が誰かの耳に届くことで、少しでも悲劇を減らすことができればいいのだけれど。
ワクチン接種後にひどい副反応が生じたとしても、それをPMDAに報告するかどうかは、医者の胸ひとつである。
医者が認めない副反応は、社会的には、存在しないのと同義である。ワクチン接種後に100万人の1人という極めてレアな発症率の病気を生じたとしても、また、そういう病気が接種者の間に多発していたとしても、医者が報告しない限り、因果関係もへったくれもない。
【症例】60代女性
【発症の経緯】2021年7月1日と7月23日に集団接種会場でファイザー社製ワクチンを受けた。
9月頃より、仕事(事務職)のとき、「うまく仕事ができない気がする」と言い始めた。9月半ば、「自分は認知症ではないか」と思い、近医の物忘れ外来を自ら受診した。簡単な記憶力検査やMRI検査を受けたが、異常所見なしということで経過観察となった。
めまいがひどくなってきて、歩行にも差し支えるようになってきたため、10月初旬、耳鼻科を受診したが、特に異常なしと言われた。
10月4日、ふらつきのため、何かにつかまらないと歩けなくなり、再度耳鼻科を受診した。本人のすぐ左側に娘がいても、娘がまったく視野に入らないなど、左側の視野欠損を指摘された。持病の緑内障が悪化したと思って、眼科に行ったところ、眼科医が血相を変えて、「いや、それどころじゃない。重篤な病気が隠れている可能性があるから、すぐに
総合病院の脳外科を受診したほうがいい」
紹介された脳外科を受診し、各種検査を受けたところ、クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)の可能性を指摘された。主治医が言う。「一度入院したら、恐らく退院することはありません。家での身辺整理もあるでしょうから、一週間の猶予をあげます。一度家に帰って、心の整理などつけて、覚悟を決めてから来週入院してください」
医者はヤコブ病がどういう病気であるか、一応の知識があったために、このように助言をしたものと見える。しかし、この病気の進行スピードについては、やや見積もりが甘かったようだ。患者は医者の助言をいれて家に帰宅したものの、身辺整理をする余裕などとてもなかった。歩行機能がすみやかに衰え、日中に意識消失発作が見られるようになった。10月5日の朝には、かろうじて自力歩行できていたが、その日の夕方には歩けなくなり、車椅子の使用を余儀なくされた。症状は「日ごとに悪化」するどころか、「1時間おきに悪化」した。それほど急速な進行だった。結局、医者がくれた1週間の猶予期間は「長すぎる」ということになった。在宅で過ごすことさえできなくなり、入院日を早めてもらうことになった。
入院後も、症状の進行は止まらない。11月に入って自力での食事摂取が困難となり、11月15日より経鼻栄養を開始した。
次第に自分の意思で指を動かすこともできなくなり、現在、ほぼ意識なし。意思疎通はとれない。
家族(娘さん)の話
「昨年末までお見舞いに行っていましたが、今はコロナの関係で面会禁止となりました。これって、あんまりじゃありませんか?母はいつ死ぬか、分かりません。明日にも死ぬかもしれません。母の人生最後の日々を、そばで過ごしたい。家族のそういう願いも、病院は聞き入れてくれません。私、病院に抗議して、けっこうやり合いました。でも、病院の提示するぎりぎりの妥協案は、「もうすぐ臨終、という状況になったら連絡する。ただし、その際も面会は一人まで」と。さすがに怒りが湧きました。許せない。こんなの間違ってる。「感染症対策」が名目なら、本当に何でもありって感じです」
確かにおかしいと思う。感染対策としてそこまで面会を制限するだけの科学的根拠は一体何なのか?病院側に説明を求めたい。
こういうデタラメを吹っ掛けられたら、コロナワクチン駆け込み寺に相談してください。
https://567kyusai.com/
「もうひとつ、おかしいのは、母のこの状態について、主治医がワクチンとの因果関係を認めないことです。
CJDの確定診断は出ています。入院中、神経内科の専門病院に転院して、そこで検査を受けて、CJDと正式に診断されました。
主治医に言いました。「ワクチンのせいではないですか?」何度聞いても、はぐらかされます。あまりにもうっとうしいと思ったのか、ついにCJDの診断自体を否定する始末。「私はCJDではないと思う。CJDは潜伏期間が何十年もあるものだから、ワクチン接種から1、2か月で発症というのはあり得ない」と。
私は、「そういうことなら、病名は何でもいいです。浮動性のめまいとか、そういうのでもいいから、副反応報告にあげてもらえませんか」と言いました。
私としては、とにかく、母がワクチンのせいで被害を受けたんだと認めて欲しかった。CJDがあまりにも珍しい病気なので認めてもらえないのなら、仕方ない。でも少なくとも、ひどいめまいに苦しんでいたことは事実なんだから、そこだけでも認めて欲しかった。でも主治医は、そこさえ認めてくれないんです」
一体、どういうつもりなのか?主治医先生は何を考えているのだろう?純粋に聞いてみたい。怠惰なのだろうか?被害報告を書くのがめんどくさいのだろうか?何か責任を負わされるのが怖いのだろうか?
「私、表に出てもかまわないと思っています。病院の対応、主治医の態度。ひどすぎます。黙っていられません。健康だった母が、今にも死のうとしている。悔しくて、腹立たしくて。この怒りをどこにぶつければいいのか、分かりません。私、戦いたいんです。
きちんと報道してくれるのであれば、メディアの取材にも応じるつもりです。何日か前に先生が書かれたブログ、見ました。世の中には、ワクチン接種後にヤコブ病に罹患しながらも、患者はもちろん、医者も気付かないままに亡くなっていく人がたくさんいると思います。私が声を上げることで、気付く人が少しでも増えるのなら、意味があると思います」
100万人に1人の難病が、ワクチン接種後にまた一人。
僕はヤコブ病の患者を、最近続けざまに見ている。疫学的に考えれば、ありえないほど低い確率の事象に遭遇していることになる。
ワクチン接種によってこの病気が起こり得ることを広く世に知らしめるためには、まず、医者が被害報告を国にあげてくれないといけない。しかし、医者は頑としてそのつもりがないようだ。
とりあえず、近日中に僕の方から主治医に連絡をとることにする。そして、なぜ報告を国にあげないのか、直接聞いてみよう。こうして話し合い、事が進み、お互いが納得できれば一番早い。
話し合いが決裂すればどうなるか?あまり気は乗らないが、法律を使う戦いが必要になるかもしれない。
同時に並行して、世間の人々に周知していく活動も大事だろう。「コロナワクチンを打てば、100万人に1人の難病にかかるかもしれないんだよ」と伝えていく。これは、決して反ワクチン活動ではない。ワクチンを打とうかどうか悩んでいる人も、起こり得る副作用を知ったうえで打つべきで、そういう人への単なる情報提供である。
ワクチン接種に飛びついて、ヤコブ病にかかり、「こんなことになると知っていれば、打たなかったのに」。
そういう不幸を、少しでも減らさないといけない。
中村 篤史/ナカムラクリニック
神戸市元町で内科・心療内科・精神科・オーソモレキュラー栄養療法「ナカムラクリニック」を開業。ブログで健康情報を発信中。