昨日の記事の追記みたいなものだけど。

ITmediaの

電子書籍端末売れず──ソニーと松下が事実上撤退

という記事にKindleが「日本とは対照的に成功」とあったり、その記事内にも参照していた別記事

iPodっぽい”クールさも 米Amazonの電子書籍端末「Kindle」を触ってきた

という今年4月の記事でもKindleをべた褒めしていたのだけど。


これらを見て、Kindleいったいどれだけ売れたの?という疑問(違和感)をもってたのだけど。そんなに成功してるなら、もっと成果を発表しても良さそうなのに、と。


だいたい11月の発売直後数時間で売り切れたものの、その後4月まで(半年近く)発売再開できなかったのは決して製造上の問題だけではないだろう。


で、検索してみたら、どうも年度報告会議でもその出荷台数さえ明示せず、CEOのBezos氏が「最初は利益を生まなくても」長期的にがんばるつもりと発言したとか。ソースはこれ↓


Price will have to fall for Kindle's fortunes to rise - E-book reader's cost slows sales (seattlepi.com)


この辺を考慮すると、Kindleはまだ失敗とは言わないものの相当苦戦中、とても成功とはいえない状況のようだ。まあBezos氏のライフワークみたいなもんでしょうか。

University Presses Start to Sell Via Kindle (INSIDE HIGHER ED)

という記事では大学の教科書をKindleで、という話もあるのだが、教科書代や本の重さとバーターに4万以上ってのもどんだけ?な気もする。

まあ確かに一般書籍より論文とか教科書の方が検索性とかのニーズ=電子化のメリットは高いと思うが。


通信機能を持っており、直接購入&ダウンロードできるKindleでさえこれでは電子書籍は相当なことをしないと難しいだろうということで、むしろ「米国だから成功」とかでなく、感覚的には似たようなものかな、と思う。

携帯コミックのヒットというのがむしろ例外的な成功事例なのだろうな、と。


ちなみに上記seattlepi.comの記事では電子ブック市場拡大には端末の低価格化が必須という話で。

(400人足らずのネットユーザ調査ながら、7割の人は電子ブック購入意向なし、3割の人は価格の妥当性を$100あたりと回答したとか)

実際、EeePCによる昨今のミニPCの激安化で、いまやこれらの端末の価格が笑えるようになってしまってるわけで。EeePCとE-Mobileモデム新規契約のセットで298・・・みたいな状況だしね。


そんなわけで・・・やっぱりまだまだ「未来は紙の本がなくなって」とはいかなそうだ。

ガンバレDSVision~