少し前に友人が送ってくれた本です。わたしの好みをよくご存じで(笑)
『今日、誰のために生きる? ──アフリカの小さな村が教えてくれた幸せがずっと続く30の物語』
ひすいこたろう・SHOGEN 著
廣済堂出版
リンク先に本の内容がザっと分かる説明があります。ザッとじゃないな。わりと詳しく、かなーり詳しく(笑)
その中からさわりの部分を少しだけご紹介。
◇
SHOGENさんはティンガティンガというペンキ絵を学びにアフリカに行きます。そこで出会った人に、ここで絵を勉強するのはいいけどお金がかかりすぎるので自分の家にホームステイしないかと提案されます。
そして向かったのが、200人ほどの村人が暮らすブンジュ村。
村で暮らす承諾を得るため、彼は村長さんのところに挨拶に行きます。
その時に村長さんが言ったこと。それが村に伝わる幸せの3か条でした。
『ブンジュ村に伝わる幸せの3か条』
①ご飯が食べられることに幸せを感じられるか
②ただいまと言ったら、おかえりと言ってくれる人がいるか
③抱きしめられたら温かいと感じられる心があるか
では、①のご飯が食べられることに幸せを感じられるかについてのエピソードから。
SHOGENさんは食事以外の時間はずっと絵を描いていたそうです。1日12時間。1日4枚をノルマにして。
そんな時、村の小さな子供が流れ星を捕まえたいと言います。村の大人たちは流れ星を捕まえるために夜になると集まってぞろぞろと出かけていく。
もちろん捕まらないのだけれど、次の夜もまた大人たちは集まる。
SHOGENさんは言うわけです。
「流れ星を捕まえるだなんて、そんな無駄なことを……」
そこで逆に言われちゃうんですね。
「SHOGEN、お前に夢やロマンはないのか? お前は効率よく過ごすことばかり気にしているように見える。本当に効率よく考えるのであれば、生まれてすぐ死ねばいい。人はいかに無駄な時間を楽しむのかっていうテーマで生きてるんだよ」
SHOGENさんは様々なことを村長さんや村人から教わります。
まず、一番最初に自分を大切にすること。
自分の喜びのグラスをまず満たして、そこから愛情があふれた時に他人に注いであげたらいい。
自分を置いてけぼりにしてはいけないよ。一番最初に大切にしないといけないのは自分だよ。
あなたの魂は喜んでる? まずは自分の心を満たしてね。自分のこころを満たさない限り、本当の意味で誰かの力にはなれないよ。満たされていない人が誰かの力になろうとすると、必ずトラブルが起きるからね。
次に、自分が自分の一番のファンでありなさい。
愛が注がれたものからしか、愛は与えられないんだよ。自分自身を愛で満たしていれば、自分の行為全てに愛が宿るんだ。
◇
ここで、小さな幸せが一番大きな幸せであることに気づくワークを。
①当たり前のようにある今の幸せを、思いつく限り書き出してみて下さい。
例えば、空気が吸える、目が見える、耳が聞こえる、動ける、ご飯が食べられる、家族がいる、仲間がいる……などなど。
②今度はあなたの最大最高の願いを一つ書き出して下さい。
パートナーが欲しい、年収一億円、海の見える家に住みたい……などなど。
では、①で書いた願いの中から三つ差しだしてくれたら②の願いを叶えてあげますと言われたら、あなたはどうしますか?
殆どの人は交換できないそうです。ですよね(^^;
当たり前は当たり前じゃない。当たり前は巨大な幸せ。幸せの第一歩は自分が幸福だったと気づくこと。永続的に幸せになるには幸せを感じる心を育てていくしかない。
確かにそうですね。最初は幸せを感じていても、時間が経つにつれてそれが幸せとは感じられなくなってくる。慣れてしまう。そしてもっと大きな幸せがあるんじゃないかと探す。今が不満で仕方ないから。
しかし本当にそうなのか? 小さな幸せを見落としていないか?
息が出来て、目が見えて、音が聞こえて、動けて、ご飯が食べられる……それは大富豪になることよりもずっと幸せなことなのに。
安心感を自分に与えることが大事だそうです。幸せのベースは安心感。そこに幸せの種を植えるのだと。
小さな幸せを毎日記録して、時々それを読み返す。それは自分だけのお守りになるそうです。小さな幸せは声に出して言うと言霊になります。
こんな話もありました。
食事を作業にしてはいけない。じっくりと感謝とともに味わうこと。
自分を抱きしめる。自分に労いの言葉をかけてあげる。
小さな幸せ。それを自分はたくさん持っていることに気づく。これは、村長さんの話したブンジュ村の幸せの3か条のまだまだ取っ掛かりです。
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このお話には意外な展開があります。
村長さんの言葉は『日本との繋がり』が元になっていたんです。SHOGENさんがブンジュ村に来たはじめての外国人だったというのに。
……と、思わせぶりなところで、この本の紹介は終わり(笑)
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物足りない? では、ちょっとだけ付け加えます(笑)
満たされたグラス。こころの余裕。
確かにわたしも、そして日本人全体も随分と失っているように感じます。豊かで便利な生活をしているというのに。
江戸時代の人から見れば、暑ければクーラーもあるし、冷蔵庫もある。将軍だってそんな暮らしは出来なかったのに。
しかし、江戸を訪れた外国人は揃って思ったそうです。日本人はとても幸せそうに見える。ほがらかで陽気な人たちに見えると。
何が変わってしまったのか。そう、小さな幸せを見つける術を知っているか否かです。昔の日本人はこころに余裕があったんです。
もっとこころに余裕のあった時代があります。それが縄文時代。
今から13000年くらい前から2300年くらい前まで、約1万年間続いた時代だそうです。
1万年も続いた時代なんて他にはありません。江戸時代でも265年間。太平洋戦争が終わって現在まで78年しか経っていない。
縄文時代はどうしてそんなに平和で長く続いたのか。それがブンジュ村の村長の言葉に繋がっていきます。ファンタスティックですね(笑)
小さな幸せを感じるこころ。大事ですね。これも記録していこうかな。
失ったものを数えるより、手にしているものを数えたほうが幸せです。
少なくとも、そういう心がけでいられれば、安心感という土壌を自ら培っていける。
わたしのグラスはまだ満たされていない。その自覚はあります。満たされる前から差し出そうとすれば自分も相手も不幸にする。痛い言葉ですが、肝に銘じておきましょう。