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統合失調症病と双極性障害を分類したのが、エミール・クレぺリン(ドイツの医学者、精神科医)という人物。それまでは「精神病」だといっしょくたにされていた。
最近の研究では、双極性障害は統合失調性と遺伝的に近いと言われるようになってきた。とはいえ双極性障害と間違えやすいのは「うつ病」の方だろう。DSM5からは双極性障害とうつ病は別の分類に置かれている。

『うつ病と双極性障害の違い』
うつ病の代表的な9つの症状の内「気分が落ち込む」「かつて楽しめていたことが楽しめない」の2項目は、双極性障害と区別するのに大事な部分。
双極性障害では、気分の落ち込みはあるが上がる時もあるし、楽しめる時もある。

『双極性障害Ⅰ型の躁状態』
快楽追及性が高い。過度に散財する。性的に奔放になる。人間関係のトラブルを起こす。入院が必要になるくらいの躁状態となる等。
だがいずれうつ状態に変わってひどく落ち込む。躁状態の時の症状が目立つので診断がつきやすい。

『双極性障害Ⅱ型の躁状態』
Ⅰ型に比べると軽躁状態である。
ほぼ入院には至らない。だが、うつ状態はⅠ型と同じレベルに落ち込む。
一見うつ病に見えるので診断が難しい。
最初はうつ状態で受診することがほとんど。平均で4年間はうつ病の治療をし、10年以上気づかれないこともある。

Ⅱ型は軽躁状態になると今までのうつ状態の人生を取り返したいと思ってしまう。しかし、はしゃぐことと後悔を繰り返すことで、自己評価が下がってしまう。浮き沈みが激しく自殺のリスクが上がる。うつ病よりも自殺を完遂する確率は3倍である。

『双極性障害をうつ病と診断した場合のリスク』
双極性障害の治療薬は、抗うつ剤ではなく精神安定剤である。
うつ病と診断してしまい、抗うつ剤の処方が続くと急速交代型(ラピットサイクル)への移行リスクが高くなる。
ラピットサイクルの定義は、年間4回以上の病状変化。
躁・うつ・躁・うつの繰り返しだけではなく、躁・うつ・うつ・緩解・躁・うつ・うつ……でもラピットサイクル。

『双極性障害Ⅱ型は診断がつけにくい』
双極性障害の人は人生の約半分を無症状で過ごしている。
残りの半分のなかで、Ⅰ型のうつ状態は67%、Ⅱ型のうつ状態は94%。
なので、特にⅡ型の患者は自分のことをうつ病だと思いやすい。

『医師が患者から欲しい情報』
① 若い頃に発症した(平均してうつ病より10年ほど発症時期が早い)
② 急な悪化がある(急にうつ状態になる)
③ 急な改善もある(急に躁状態になる)
④ 再発性が高い
⑤ 冬季うつがある
⑥ もともとハイ・元気である
⑦ 家族歴(双極性障害や統合失調症などの親族がいる)
⑧ 産後うつがあった・ある
⑨ 過眠・過食(うつ病の場合は不眠・拒食が目立つ)
⑩ 幻覚・妄想

これらの訴えがあると、医師はうつ病と間違えずに双極性障害の診断をつけやすくなる。
患者は自分の気分変化には気づきにくい。しかし行動の情報は確かである。
行動情報(人間関係のトラブル、旅行をした、散財をしたなど)。睡眠時間(躁状態では眠らなくても行動できる)、食欲などを記録する。

『双極性障害の治療』
薬剤はリチウムを使用することが多い。気分の安定作用があり、再発抑制力が強い薬。副作用には振戦、口渇、吐気がある。リチウム中毒に注意。また甲状腺機能低下のリスクがあるため、血液検査で定期的モニタリングが必要である。

『対人関係 社会リズム療法(IPSRT)』
① 起床
② 人と会う 家族・同居者と会話する
③ 出勤・登校 出かける
④ 夕食
⑤ 就寝

これらの5項目を、計画、記録、分析する療法。まず、5項目を何時にするか決めて記録する。おおむね計画通りにはならないが、ズレてきた時の原因を探ることが治療につながる。変化には対人関係が引き金であることが多い。
5項目一気は難しい場合もあるので、まずは1項目からでも。

ってなわけで? 三年日記で日々の記録を取ろうと思ったわけです。ハイ。
規則正しい生活のために起床・就眠時間を一定にする。
朝食と夕食の時間を一定にする。
その日の感情もだが、行動したことに着目する。
散歩程度の運動が出来たか、ずっと眠っていたか。
ネットでポチポチしていないか。いくら使ったか。
どの程度の家事が出来たか。掃除や片付けをしたか。
甘い物を食べ過ぎていないか。過食していないか。
イライラしていないか。どんな言葉でイライラするのか。

ま。考えてみりゃあ、カルテに記載していたことと似てるわな。当然ともいえるけど(笑)
検温して、脈とって、便通と排尿の回数聴いて、血圧測って。食事量チェック。日中の状態。睡眠状態。服薬の状態、頓服薬の服用。定期の検査。他に外出、外泊の記録。
ドクターも精神療法での診察記録を残すし、作業療法士(OT)は作業療法での記録をする。

まあ。入院だろうが自宅療養だろうが、まずはきちんと内服が出来ているかが大事なわけで。それすら無理なら長時間効く注射もあるわけで。

うーむ。生活が単調だと? この病気だから? 年齢的に? 短期記憶が怪しくなっていくんですよお! それがヤバイ。
ちょっと50代半ばで、物忘れするってヤバないですか? やっぱ他人と会話したり、読書したり、文章を書いたり、何かを作ったりするのは大事だな。

なので客観的に自分をモニターするために、主に行動に着目して記録をつけようと思っています。点数で評価してみるのもいいかもね。