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『毒になる親 一生苦しむ子供』 スーザン・フォワード著

この本は2001年が初版。『毒親』という定義を早くから提唱したセラピストの著書。今や誰もが知る言葉だが、2001年だとさすがにポピュラーな言葉ではなかっただろう。

毒になる親は子供に『種』を植え付ける。子供はその種を一生抱え続け、『怒り』の感情を押さえつけて生きることとなる。
子供は、自己を開放する手段を知り自分を取り戻すまで、『種』を取り除けずに生き辛さを抱えていくこととなってしまう。

毒になる親とはどんな親か。
この著作の目次のタイトルをあげ、私の意見や感想を続けて書こうと思う。
著作の前半は毒になる親にはどんなタイプがあるのかという説明が続く。「神様」のような親、義務を果たさない親……といった具合だ。
私の親は毒親だがアルコール依存症ではなかったので、当てはまらない項目もある。
アルコール依存症の親の子供については臨床で見てきたが、治療者としての立場でしか分からない。また性的被害者の子供でもないので、その点に関しても割愛させて頂こうと思う。

◇「神様」のような親
子供にとって親とは衣食住すべて、命の維持のために必要なものを全て握っている絶対支配者だ。
つまり、子どもは親にとって『いい子』でなければ生きていけない。そのため、『親に見捨てられないために』親からいかに毒を浴びせられようが、怒りを露わには出来ない。反抗しようものならもっと酷い罰を与えられるからだ。

◇義務を果たさない親
衣食住に留まらず、親は子供に愛情を与える義務がある。ネグレクトという言葉も今ではポピュラーだが、これらの義務を果たさない親がいる。子供を放置する親だ。
家事をしない親の代わりをしなければならない長子もいる。親の愚痴を聞かされ続ける子供もいる。不仲の両親の間を取り持たなければならない子供もいる。
食事をさせ、身の回りの世話さえしていれば完璧な子育てか? 親に愛していると言われたことのない子供は思うだろう。「私は親の家畜ではない」と。

◇コントロールばかりする親
過干渉によって自分の敷いたレールの上だけを子供に歩かせようとする親。反抗しないように罰を与えることを示唆したり、実際に暴力などの罰を与える親。
そんな親にとっての子供とは、自分の所有物であり、思い通りに扱っていい『物』である。なので、子供を一人の『人間』とは認めない。
子供が決めたことに対して、例え子供が成人していたとしても、事あるごとにその言動をくさす。しかし次の瞬間には真反対のことを言って、その考えを押し付けようとする。言われた側は一貫性のない言葉にどうしたらいいのか分からない。
この手の親は子供に謝るということがない。そして物事のファクトではなく、自分の感情の波によって言動を変える。

長くなったので、前後編に分けます。以後次回(笑)