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今回はダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ。
イギリスの画家であり詩人。あの有名なオフィーリアを描いたミレイとともにラファエル前派の一員。
というかロセッティは絵よりも詩の方が得意。この集団の広報担当って感じで、絵の方はダントツにミレイの方が上手い(おい)

今回の話にはロセッティと二人の女性が登場する。
まずは山田五郎さんのチャンネルでさんざん「クズ男」呼ばわりされていたロセッティ(笑)まあ言われて当然なんだけど、まずは写真とAIの説明を。

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ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ

ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティは、1828年5月12日にロンドンで生まれ、1882年4月10日に亡くなった19世紀のイギリスの画家であり詩人です。彼はラファエル前派の一員として数えられ、その運動の中心人物の一人でした。代表作には『受胎告知』、『ベアタ・ベアトリクス』、『プロセルピナ』などがあります。また、ロセッティは詩作にも優れており、101篇からなるソネット集『生命の家 The House of Life』を発表しています。

生成AI

まあ、普通の説明ですね(笑)

今回はロセッティの妻であるリジー(エリザベス・エレノア・シッダル)、ロセッティの愛人ジェーン・モリス(旧姓バーデン)も登場します。

二人とも元々はモデル。リジーは痩せてアンニュイな印象の女性。ジェーンは肉感的で目力の強い女性。

リジーはロセッティ達のモデルを務めた後、ロセッティの妻となった女性。ミレイの描いたオフィーリアのモデルも務めています。
しかしリジーはロセッティの浮気癖に悩み、アヘンチンキ中毒で亡くなります(オーバードース説と自殺説もあり)

山田さんのチャンネルの前半はリジーについての話が多かったですね。


リジーをモデルにロセッティが描いた「ベアタ・ベアトリクス」

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ベアタ・ベアトリクス


ケシの花、ハト、日時計などの意味深な小物を配した作品。ロセッティはリジーの鎮魂のためにこの絵を描いたとのことだけど、その後すぐに前の愛人とよりを戻す。
その上「君とともに封印する」とリジーの墓に埋めた自作の詩を他人に掘り起こさせて取り戻し、出版する。
自分の浮気癖に悩んで死んでしまった妻に対して、この仕打ち!

で、クズ男、ロセッティに天罰を下す魔性の女が登場。
それがジェーン・モリス(旧姓バーデン)。下の絵のモデルとなった女性。

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プロセルピナ


チャンネルの後編では、このジェーンがロセッティに天罰を下す(って言っていいのか)

ジェーン・モリス(旧姓バーデン)はイギリスの絵画モデルで、ラファエル前派の理想像。彼女はウィリアム・モリスの妻であり、ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティのモデルでありミューズだった。

まあロセッティの愛人というよりも、手玉にとってた魔性の女って感じ。

プロセルピナは、地獄のザクロの実を半分食べた女神。一年の半分は地獄で過ごし春になると地上に出てくる。

ジェーンは、一年の半分を夫のモリスと過ごし、残りの半分はモリスが出張に行くあいだ夫公認でロセッティと過ごした。
ロセッティは「ジェーンはお金で夫に縛られている可哀そうな人」と勝手に思い込んでいた。そのジェーンになぞらえてこの絵を描いた。


ジェーンの夫であるウィリアム・モリスはラファエル前派の一員であったが、絵画よりもデザインが得意で、有名なテキスタイル「いちご泥棒」などの作者である。
ロセッティを突き放し、さっさと金持ちであるモリスと結婚して上流社会に馴染んでいったジェーンだったが、夫のことを「男として愛したことは一度もないわ」とも言っていた。

モリスのこともロセッティのことも魅了し手玉に取ったジェーン。
結局、ロセッティは酒と薬(クロラール)が原因で、脳軟化症、尿毒症となり死亡。
ジェーンはすぐに新しい愛人を作り、長生きをして天寿を全うする。

まあ、詩が上手で口のうまいロセッティに惹かれる女性は多かったのでしょうが、その上を行く魔性の女がジェーンだったというわけで。

とはいえ、この話のなかで一番哀れなのは、モリスでしょ。山田さんも話してましたけど、モリスはジェーンにベタ惚れだったのに、ジェーンはロセッティとの浮気をやめない。モリスが夏の間に妻の元を離れて「二人で好きにして下さい。ただし人目にふれないところで」と長期の遠出をしたのは、最大限の譲歩だったのだろうな。それでもジェーンと別れられないってところが悲しいね。

ロセッティの詩集は読んだことないけれど、どれだけ甘い言葉を駆使しようがクズ男はしょせんクズでしょ。中途半端でしょ。
ミレイのオフィーリアの美しさや、モリスの商才には敵わない。

てか、そういう仲間への嫉妬もあったのかなあ。
だとしたら、哀れな人だね。