「朝は8時45分までに出社してください」
との宣告を受けて1週間。
今日から社会人。
朝起きれるか不安だった。
だから昨日は9時に寝た。
ずっと不規則な生活をしていたせいで、睡眠薬が手放せないのは仕方ないが、
昨日ほど寝たいときに眠れるアイテムがあるってことに勇気をもらったことはない。
結局4時に目が覚めて、そのまま眠れなくて夜が明けた。
出社すると
30代後半かと思われるオジ・・・お兄さんが、掃除をしていた。
新入社員かよ!
って感じにキビキビ動いていて、とりあえず僕もつられて掃除。
黙々と掃除をこなしていると、いつのまにかワラワラと人が増えて
いつのまにか事務所の中には10人くらいが揃っていた。
そのうち、僕を含めて社員は4人。
一人は今日からってことだったから、僕と同じ立場。
でも歳はたぶん10くらいは違うから、すごい疎外感。
っていうのも、パートのおばちゃんたちはみんな60代だと思われる。
あとの社員も30代。
僕だけ、20代前半だ。
一応職種は開発。
・・・でも、最初は営業からやるんだって。
営業なんて経験がないけれど、まぁそんなものなのか。
開発も出来るか疑わしい(情報系出身)のに、営業なんてサラサラ無理だ。
しかも、僕はほとんど人と関わってこなかった。
話せないって。
でも現実はやっぱりやってきた。
電話番号がダーーーーーーって印刷された紙を渡されて
電話営業。
話す内容は紙に書いてある。
でも声が出ない。
電話に出てくれるな、と思う。ていうか願う。
だけどそういうときに限って、上司は見ているし相手は出てしまう。
まじありえないって。
家に帰ってゲームしたい。
猫と遊びたい。
っていうかそれ以上にスーツがきつい。
ネクタイが首を圧迫して、もう呼吸困難になりそうだ。
そのまま電話をかけ続けた。
声は小さいまま。
断られ続け、頭の中は真っ白で、自分が何を話したのかわからない。
終わった。
とりあえず1日目が終わった。
意識が朦朧とする。
けれど、気づいたらちゃんと家に帰り着いていた。
食事も喉を通りそうに無い。
けど、もともと体格もよくないから、食わなきゃ倒れるかもしれない。
そう思ってリビングに行くと、母と父が談笑していた。
「ただいま」
「おかえり、どうだった?きつくはなかった?」
にっこり微笑む母を見て、いつのまにかボロボロと涙が噴出した。
自分が情けない
これほどまでに、弱い。
何もできない。
たったこれだけのことで、何故涙が出るんだろう。
わからないわからないわからない。
結局食事は通らなかった。
とりあえず牛乳でカロリーメイトを無理やり口の中に押し込んだ。
明日、また行かなきゃいけない。
行きたくない。
家にいたい。
もう辞めたい。