墓じまい①往復8時間 閉眼供養30分 | めろんぱん

墓じまい①往復8時間 閉眼供養30分


お墓の引越しのハイライト、閉眼供養を行った。

閉眼供養とは、遺骨を取り出す前にお墓に宿っている故人の魂を抜き取る儀式。まぁ気持ちの問題だけど。


閉眼供養が終わればお墓はただの石なので、物理的に処分できる。


最後のお墓参りなので家族4人で行くことにした。

息子は前夜に来て泊まって、朝6時に出発。

高速道路は先週の3連休後とあってスムーズだった。

3時間ほど走ってSAで朝ごはん。

晴れてきたー


そこから高速を降りて山も川もある細いくねくね道を1時間くらい。まず親戚の家に寄る。


この墓じまいは予定では先月行くはずだった。

(ロジャーの引退試合の日!)

今回でほぼこの地域の親戚とは縁が切れることになるため、挨拶に伺いたい親戚がいくつかあった。

事前に連絡してみたところ、春に一人、そして半月延びた間にもう一人親戚が亡くなっていた。

さらに先月行くはずだった日吹き荒れた台風で川が増水して、なんと床上浸水の被害に遭っていた。


なのでお布施と手土産の他に香典とお見舞いも用意しての親戚まわりとなった。


ほんの10日前に亡くなった親戚の家で挨拶とお参りをして、その後春に亡くなり、さらに台風被害に遭った親戚の家へ。

その辺りは二つの川がぶつかる地形のせいで、今回一番被害が大きかったらしい。

確かに車で20分も走っていないのにさっきまでとはだいぶ様相が違っていた。川岸の木も薙ぎ倒されて、橋にも打ち上げられている。山川の斜面が崩れて道路に水が流れている箇所もある。


親戚の家は床上50センチまで水が上がったそうで、一人で住んでいたおばさんに怪我はなかったものの、1階の家財道具は全部ダメになっていた。

私たちが行った日は、ボランティアさん達が来てくれていて片付けしてくれていたけれど、畳は全て取り除かれて家の土台が剥き出しになっていて扇風機で乾かしていた。それも大変なことだけど、臭いもひどかった。


ボランティアさんは本当にありがたい。

地元では手配できず東京から来てくれたらしい。

離れて暮らす息子さんが来ていたが、二人だけでは何もできないだろう。

3,4人来てくれていて黙々と作業してくれていて実に頼もしい。


この家のおばさんと春に亡くなったおじさんとは、3年前にお墓参りに来た時にも会ったけど、最近おばさんは認知症が進んだということで、3年前とはだいぶ印象が変わってしまっていた。

長年お墓のお世話もしてくれていた二人には最後に絶対ご挨拶と感謝を伝えたかったんだけど、とても残念だ。

息子さんに香典とお見舞いを渡し、辛うじて助けたご位牌(仏壇はダメになった)にお参りさせていただいた。

ボランティアさんにと思ってペットボトルのお茶も載せてきたのでそれも。


そこから車で15分くらいでお寺だ。

途中いわゆる本家、つまり親族の直系が住んでいた家の前を通るのだが、そこは随分前から空き家だという。ダンナが子供の頃は遊びに行っていたらしい。

そんな感じで田舎といっても、もう代替わりしてしまって親戚ではあってもお互い顔も知らない間柄になってしまっている。


(ここまでだいぶ文字数がかかったけど)

お寺に着いた。

まずは最後のお墓参り。


お寺の裏手に墓地がある。

これまた小さな川(というよりせせらぎ?)と竹林を切り拓いたようなわずかな土地に段々畑のようにお墓が作られている。


お墓の掃除とお参りを済ませて駐車場に戻ると、別の親戚のおじさんが会いに来てくれた。

後から別のおばさんも来てくれて(ダンナが中学生の頃葬式で会ったらしいけどもちろんダンナは覚えていない)、いろいろ話をしてくれた。




一緒に閉眼供養に臨む。

何度か書いたが、ここのお寺は前のご住職が亡くなってからは無人となっていた。3年前に来た時も閉まっていた。

今のご住職は息子さん(年齢は私より上)だが、別の職業についており別の場所に住んでいて、法要の時だけこちらへ来ると聞いていた。

現在もそうらしいが、お寺の中に初めて入ったら本堂もきれいだし、トイレもリフォームされていて、失礼ながら廃寺同然だと思っていたから驚いた。😅


法要はお墓の前で。

ご住職のお経の間に、それぞれがお参りをして、閉眼供養は終了。

トータルで30分くらい。でもこれでひと区切りつけることができて満足だ。


あとは遺骨を取り出し、墓石を取り除いて更地に戻す土木工事。

これは供養の前にあらかじめ連絡しておいた地元の墓石業者の方に来ていただき打ち合わせをした。

業者さんは、遺骨の乾燥と新しいお寺への配送手配もしてくれるそうで、私たちは立ち会う必要はないとのこと。


ということはここへ来るのも本当に最後となる。

私はともかく、子供の頃の思い出があるダンナにはそれなりに感じることがあるようだ。当然だよね。

普段は顧みることはないけれど、実際に来てみれば親戚はみんな温かく迎えてくれる。手作りの味を持たせてくれる。お互いに思いやることの嬉しさ。


いい墓じまいの旅だったと思う。


思っていたより早く終わったので、帰りの高速に乗る前にショッピングモールに寄ってお土産を買って食事をして少しゆったりしてから帰った。

日帰りで忙しい一日だったが、お土産を買うと旅行した気になるのは不思議だ。笑

帰りの高速は日曜日の夜とあって少し混んだから4時間強くらい。ずっと運転したダンナ、お疲れ様!



お墓の引越しはこれにてひと山越えた!

次は新しいところへ。