もう十何年も前のこと、成人式を迎えるにあたり、どうしても振袖が来たくて、母にお願いした時のこと。

買うとなれば何十万円、レンタルでも十万円以上はかかるのですが、一生に一度の成人式。こんな高級なもの、母が買ってくれるとは思いませんでしたが、ダメ元でお願いしてみました。


返事は案の定、ノーでした。


元々裕福ではないことは分かっていましたが、兄には塾やら大学費用やら援助していたので、振袖くらいレンタルするか買うお金はあるんじゃないかと思っていました。


でもやっぱり、私に対して出すお金はないようでした。


「そんなもの買えない。スーツで行きなさい。」


と言われたのですが、私は仲のいい友達と一緒に振袖来て行こうねと、約束もしてとても楽しみにしていたのです。

それに、女性でスーツだと浮くだろうし、絶対に振袖がいいと思っていました。


でも、母は絶対に反対。


「振袖なんて買う必要ない。スーツが嫌なら行かなかったらいいじゃないの。」


とまで言われ、買ってもらうことは諦めることに。



親には頼れない。



自分でどうにかするしかない。



バイトを増やして、3つ掛け持ちして、とにかくがむしゃらに働くことにしました。



振袖は、私は身体が小さく、レンタルではサイズがないと言われたので、購入することに。一式全て揃って30万円ちょっと出せば買えるものがあったのでそれにしました。

色も白とピンクを基調に、とても可愛らしく華やかだったので気に入りました。



当日の着付けも自分で手配して、何から何まで自分でしたことを思い出しました。



自分の力でやりたいようにやって後悔はなかったけど、5回払いで購入したので、多少苦しい思いはしました。



今、自分にも子どもができて思うことは、一生に一度のことは出来る限り子どものやりたいようにさせてあげたいということ。

もしそれが難しくても、一緒に考えて、悩んであげたいということ。


私はそんな親になりたいと思った。