『シルヴァーズ・セレナーデ』

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黄金クインテット最後期の録音ですが、ファンキーに乗りまくるいつもの姿は見当たりません。
(その後の新機軸の萌芽も見られないので過渡期というよりは黄金クインテットのアナザーサイドと言うべきか)

妙に落ち着いた演奏と、シルヴァーにしてはキャッチーな魅力に欠ける楽曲..

確かになんかスカッとしない作品ではあります。

しかし、困ったもので(?)これが悪くない。
フロント2人のソロとリズム隊の絡み具合といったグループの纏まりが最高の聴きどころで、さらにブルー・ミッチェルの出来が非常に良いのも魅力。
シルヴァーは半歩だけ昔に帰ったような端正なプレイでこれも非常に良ろしい。

メンバー全員が驚異的演奏をやってのけた『ドゥーイン・ザ・シング』のような鬼神のノリが欠片も見つからないのは残念だけど、黄金クインテットのアナザーサイドは、バンドサウンドに重点を置くシルヴァーだからこそのアンサンブルの熟成を存分に楽しむことが出来ます。

ただ、タイトル曲が最高の出来で楽しめますが、他の曲はやはり曲自体が弱いのが残念なところ。

とは言え、個人的には名盤ホレススコープやトーキョーブルースなどよりは面白いと思っておりますが、如何か?


次回の「過渡期」は『キリマンジャロの娘』です。(嘘)笑