生化学的な視点でみると、私たちがいろいろなものを食べることは命を保つために体内でATPというエネルギーを作るために必要だからです。
このATPを作るプロセスは、解糖系とクエン酸回路、そして電子伝達系です。
解糖系は細胞質で酸素を使わず糖質を分解してATPを作ります。その際に作られるATPは2分子しか作られません。
クエン酸回路はミトコンドリア内にあり、酸素を用いて糖質と脂質を分解してATPを作ります。その際に作られるATPは2分子ですが、その他に補酵素であるNADHとFADH2が作られます。この補酵素が同じくミトコンドリア内の電子伝達系に入ると酸素を用いて36分子のATPを作ります。
糖質を利用すると全部でATPを38分子作ります。
ただし、糖質を多く摂取すると主に解糖系でATPを作ると言われており、当然、エネルギー源であるATPが少ないので、体温が低くなったり、また疲れが抜けなくなるといった現象が見られます。
また筋肉のことと関連付けて考えてみますと、私たちは重いものを持つときやダッシュをするときに解糖系を用いてATPを作ります。つまり速筋を使って動きます。当然エネルギー源であるATPは少ないので、長い間ダッシュを続けたり、重いものを持つことができません。
本来なら、普段の生活レベルでは解糖系を使わないでクエン酸回路や電子伝達系を用いてATPを作るので、疲れることはないのですが、上記のように糖質を多く摂取することで解糖系が主体でATPを作るようになってしまうと、いつも全力ダッシュするように体を動かしてしまうので、慢性的に疲れている状態が引き起こされると考えられます。
糖質を制限する意味は上記のような理由からだと思いますが、目が疲れていたり、ギスギスした生活を送っていたり、今までの食生活の習慣で糖質制限が難しい場合もあるようです。
各個人の生活の状態を丁寧に知り、頭から働きかけた方がよいのか、体から働きかけた方がよいのか、その時々で選択していくことが大切だと思います。