音大3年目の1月、そう…ちょうど
今ぐらいの時期だった。例年通り、
レッスンの担当教官主催のピアノ
発表会(試演会ともいう)があった。
ちなみに弾いた曲目は、ショパンの
プレリュード作品28の16番から19番
までの4曲だった。
「どこ」とは言わないが、悪い意味で
印象に残ったホールだった。
とにかくピアノを演奏する舞台がまるで、
警察の取調室みたいな照明だったのだ。
後日あったレッスンの時、先生から
「これまでに俺が教えてきたこと全部、
発表会の時に忘れてるぞ」などと
ダメ出し喰らったが、そりゃこんな
印象最悪なホールで本領を発揮できる
はずもない。
ちょうどその当時、東京と埼玉で連続
幼女誘拐殺人犯のことが世間で騒がれて
いたが、いっそのこと、そいつ以上のこと
やってのけようかという気を、実は
その時の筆者は起こしてしまった。
先生への反論として、よっぽどそのことを
言おうと、喉まで言葉が出かかったが、
さすがにそれは怖くてできなかった。
もしそんなことを実際口走ろうものなら
「即刻病院行け!!」と怒鳴り口調で
強く勧められたんじゃないかな?そんな
気がする。