「聖なる者」第2章 太陽と月~シャーマンの末裔 ウソン 第1話 ルナの告白に驚くウソン | 銀河の渚 Dreamscape

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地上に舞い降りた天使 
かすかに聞こえる羽音
羽が風に舞うその瞬間
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プロローグ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いろいろな事情から、

ルナとウソンはこの見合いを受け入れ、

組織がお膳立てした結婚相手として

ふたりは出会ったのだが、

それでもいまだに悩んでいた。

 

 

ふたりとも相手を

傷つけたくなかったのだ。

 

 

ふたりともその心には、

すでに愛する人がいた。

 

 

そしてその相手とは、

ふたりとも

結ばれない運命であることを

十分すぎるほど知っていた。

 

 

二人きりになったとき、

ついにルナは意を決して

ウソンに言った。

 

 

「あなたほど素敵な男性とは、

たぶんもう出会えないと思います。

でも出来れば、この話は

無かったことにしてほしいのです」

 

 

ウソンは意外な展開に

驚きはしたが、

渡りに船でもあった。

 

 

「私、忘れられない人が

いるのです」

と、ルナは思い詰めた表情で

ウソンに言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウソンはルナの思いがけない告白に、

驚きながらも、

その素直さに心惹かれるものを

感じていた。

 

 

「分かりました」

と、ウソンは静かに答えた。

 

「ところであなたの想い人である、

その幸せな男は、

どのような人なのですか?」

 

ウソンはルナの哀しげな表情が

気になり、たずねた。

 

もしあなたを不幸にするような

男ならば、あなたの提案を

私は断固拒否しますが、

あなたを幸せにしてくれる人なら、

どんな身分の相手であろうと、

私は応援します」

と、言った。

 

「でも当分は、このまま

組織が望むように、

時々会いましょう」

とも言った。

 

 

しかし実際は、

それから状況が

突然変わり、

ふたりが再び会うことは

二度と無かった。

 

 

組織がウソンに、

別の少女との接触を

命じたからだ。

 

 

新しく命じられた

恋の相手は、

気が重くなる相手だった。

 

 

しかし実の父へと続く

相手でもあった。

 

 

実の父に、

それほど愛情が

あったわけではない。

 

 

しかし血のつながりは、

決して消せるものではない。

 

 

それゆえ命が救われたし、

地獄からの脱出が可能になり、

新しい世界が開けた。

 

 

生きる理由となった、

ウソンの希望であり天使、

そして命の恩人ヨハンとは、

ソロ・シンガーとして成功し、

人気スターの仲間入りをしても、

いまだに再会できずにいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

★「聖なる者」第1章 「王女ルナの恋」

 

第1話~第29話まで、全部読めます。

(王女ルナの「忘れられない人」についての物語です)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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