大阪のザ・シンフォニーホールで、牛田くんのショパンピアノ協奏曲第1番を聴いてきました。



こちらのチケットの発売日、席がどんどん埋まってましたね。


定期会員の方もたくさんいらっしゃるから、

一般発売までに良い席は少なめだったのかも。


補助席分も含めてチケットは完売です。


むし暑かったこの日も、会場はたくさんの人で熱気がありました。


いつものリサイタルと違って、年配の方も多くて、違った雰囲気でした。



2022年6月24日 19:00 開演

ザ・シンフォニーホール


Program


ショパン:ピアノ協奏曲第1番 ホ短調

     作品11


〜〜休憩〜〜


リムスキー=コルサコフ:

     交響組曲「シェヘラザード」

     作品35


指揮:カーチュン・ウォン


ピアノ:牛田智大


管弦楽;日本センチュリー交響楽団



牛田くんは、すでに承知のとおり、メッシュヘアーでした。


実際みると、写真よりインパクトがありましたよ。


本当は若者の髪型なんでしょうけど、

私としては、親近感がありましたね。


本当に牛田くんが年齢を重ねたらこんな感じになってるのだろうな。


その頃は、私は生きてないかもしれないけど。


とにかく、やっぱりカッコイイです。


指揮者のカーチュン・ウォンさんは、

素朴なお顔立ちで、笑顔が印象的です。

その場が、パッと明るくなるオーラがありました。


衣装が個性的で、いわゆる普通の燕尾服ではなくて、


イッセイ・ミヤケのプリーツのようなデザインで、とても素敵でした。


マエストロは、動きがとてもしなやかで、フレーズの終わりを大切にしていらっしゃるなぁと思いました。


各パートごとに細かく指示を出されてました。


今回、私は前方の左側だったので、マエストロも、牛田くんの指使いもよく見えて、本当に大忙しでした。


右に顔を向けていたので、首が痛くなったほどです。


音はもしかしたら、いつもより良くないかもしれないけど、


牛田くんの両手の指使いが良く見えて、

改めて、やっぱりピアニストはスゴイなぁと感心しました。


第3楽章なんて、曲芸のように思えてきて。


それを、ただ指を動かすだけでなくて、

音楽的に弾くなんて。


とっても今さらなんですけど。


牛田くんのピアニシモも美しいのは知られてますが、


フレーズの弾き終わりに、強いこだわりのようなものを感じます。


今回で、ショパンの協奏曲もしばらく聴けないかもしれないけど、


私は1番が好きですね。

ショパンの望郷の念が痛いほど伝わってきます。


そして、今回はコーダのアルペジオを弾き終わった後も、最後までオケの音に合わせて演奏してました。


動画とか牛田くんの演奏会でも、ピアノが先に弾き終わるのしか聴いたことなかったので、ビックリしました。


後でピアノに詳しいファン智さんに聞いたら、エキエル版を演奏していたからだそうです。


もしかしたら、牛田くんは前にもエキエル版を演奏していたかもしれないけど、

私は初めて聴きました。


とても力強く弾き切って素晴らしかったです。


マエストロと牛田くんはハグしていて、

拍手が鳴り止みません。


何度かカーテンコールに答えてくれて、

前奏曲の4番をしっとりと演奏。


その後も、マエストロに促されて(ピアノを弾くジェスチャー)、トロイメライを演奏してくれました。


マエストロの笑顔に感化されたのか、

牛田くん、本当にずっと笑顔でした。


こんなに笑顔なのも久しぶりに見たかも。


牛田くん自身が満足のいく演奏だったらいいですね。



休憩のあとのシェヘラザードは、前の日に1度聴いただけでしたが、


当然ながら、生の音の方がいいですね。


オケの配置による、各パートの奥行きのある音とか、マエストロのこだわりとかを感じとれます。


特にコンマスの松浦奈々さんがカッコよくて最高でした。


命がけで物語を語り続ける王女の強い意志を思いました。


ホール全体がすっかりアラビアンナイトの世界に染まってました。


その余韻を大切にされているのでしょうか、アンコールはありませんでした。


マエストロは指揮台の落下防止バーのところに手をおいて、深く礼をされていました。


素敵なマエストロ。

世界が最も注目する若手指揮者と言われている理由が分かります。



またひとつ、心に残る演奏会と出会えました。