そこに居るだけで 側に居るだけで
ただ微笑んで ただ見つめ返して
何もかもが造りもの
本物はどこにも無い


感情の無い瞳に僕を映して
変わらない微笑みで僕を癒して


空の身体 空の心
僕の痛みを苦しみを
空の瞳 空の心
僕の辛さを悲しさを
一つ残らず飲み込んでおくれ


そこに居続けて どこへも行かないで
動かない身体 動けない心
形在る限りそのまま
崩れ落ちるその日まで


造りものの哀しみで僕を包んで
憐れみを貼り付けて僕を受け容れて


空の身体 空の心
僕の痛みを苦しみを
空の瞳 空の心
僕の辛さを悲しさを
一つ残らず吸い取っておくれ


痛みを知らないDOLL
苦しみを知らないDOLL
造られた形そのままで

辛さを知らないDOLL
悲しさを知らないDOLL
無垢な形のそのままで


僕の心もDOLLになれたなら
何も見ないで 何も感じないで
DOLLの様に心を閉ざしてしまえたら
何も見ないで 何も感じないで
人間に恋した人魚姫
心優しい人魚姫
波間に溶けて 泡になって
静かに天へと昇っていった


愛する愛する王子様
御姉様は言いました
煌めくナイフで王子を刺して
その血を浴びれば戻れると


人間に恋した人魚姫
心優しい人魚姫
掟を破って愛した王子
その隣に眠るのは―――


もしも刺すのがフィアンセならば
姫は迷わず刺しただろうか
狂った様にナイフを突き立て
歓喜に震えて殺しただろうか


人間に恋した人魚姫
心優しい人魚姫
波間に溶けて 泡になって
静かに天へ昇っていった


何も知らない王子とフィアンセ
人魚姫を殺した王子とフィアンセ
海の乙女の悲しみが
二人の生く道に嵐を起こす


知らない事はそれが罪
昔々のおとぎ話
遠い遠い異国の話―――
裏切られるくらいなら 誰も信じない方が良い
嫌われるくらいなら 誰も好きにならない方が良い
「哀しい生き方」だなんて言わないで
そう生きるしか無いのだから


生きるのが辛いから
生きるのが厳しいから
逃げたくても逃げられないから
苦しみながら今を足掻く


希望なんてあるはずもないのに
願いなんて叶うはずもないのに
こんな思いをしてまで
生きるのは何故…


終わる決意も無いから ただ今を生きるだけ
眠る様に消える様に 終わる事が出来るなら
人生の素晴らしさを唄わないで
生きる事は地獄なのだから


終わりの刻を望みながら
時間の針に心刻まれる
果ての見えない激痛を堪えながら
最期の瞬間に焦がれるの


終わりの先に希望は見えるの
今この時に幸せは手に入らないの
罪と罰でないならば
生かされるのは何故…


希望なんて無い
幸福なんて無い
あるのは絶望
あるのは苦しみ


終わりを望むの
最期の刻を待ち焦がれるの
今宵も地獄の風の中で…
アイ それは 愛
心の在処 幾億の言葉
形無き幸せの…


アイ それは I
私の意味 たった一つ
存在の意味…


アイ それは 藍
深い底へ 高く向こうへ
果て無き色の…


アイ それは 哀
魂の震え 束の間の安らぎ
孤独にも似た…


アイ それは…
アイ 繰り返す…
アイ 終わり無き…
優しいもの 暖かな眠りに誘われ
包まれていく 柔らかな腕に
ふわり 眠り 落ちるよう


出たくない 私を抱きしめるその胸
囚われている その腕は鳥籠
ひとり 二度と 戻れない


自由なんていらないのよ
ただこのままで居たい
暖かな鳥籠の中で眠れたら
他には何もいらないの


縛られている 微笑みの鎖
差し伸べられる 導くその手のひら
世界 包む 現実


導くの 自由な世界へと
触れているわ 冷たいその手のひら
その手 強く 解いて


自由なんていらないのよ
現実など見たくない
柔らかな鳥籠だけでいい
不自由と呼ばれても


自由は何処にも無いのよ
痛みの世界在るだけ
だから外へ出さないで
鳥籠の中だけでいいの


甘い誘い まどろみの優しさ
閉じられてく ここだけの世界へ
淡い 夢の 鳥籠