数年前 一年半で 順番に皆 旅立っていきました。
お母さんは悲しみました。
こんな悲しみ 二度と味わいたくない。
もう二度とわんこは飼わない そう心に決めました。
そんなある日
お母さんは庭のお手入れをしていました。
視線を感じ そこに目をやると二匹の猫が座っていました。
母猫と子猫。
その日を境に 毎日その猫親子はお母さんの所にやってきました。
お母さんは お腹がすいてるのだろうと思い ご飯をあげました。
だけど 警戒してか子猫は食べません。
そんな日が続いたある日 やっと子猫はお母さんのご飯に口をつけました。
それを見た母猫は その場を離れていきました。
子猫がご飯に夢中なのを確認しながら。
お母さんは どうしたのだろう?と思いました。
すると母猫は立ち止まり ふり向きお母さんを見つめました。
長い間 見つめる母猫。
そして その場を去って行きました。
「その子をよろしくお願いします。」
お母さんには はっきりとそう聞こえました。
それから母猫は 二度とお母さんや子猫の前には 現れる事はありませんでした。
そんな出来事から二年。
子猫はお母さんに懐き お母さんは子猫を子供の様に可愛がりました。
お母さんの帰る時間になると玄関で帰りを待ち
子猫は お母さんの傍を一時も離れたくありません。
お母さんも子猫にたくさんの愛情をそそぎました。
ふと お母さんは昔の事を思い出しました。
わんこ7匹と暮らしていた日々。
その中でも 一番甘えただった一匹のわんこ。
お母さんは 気づきました。
子猫とそのわんこが そっくりなことに。
「きっと この子猫はあの子の生まれ変わりなんだわ。
悲しい顔しちゃったから…
またこうして 私の所にやってきてくれたのね。 ありがとね。」
まだらな毛色に決して可愛いとは言えない顔立ち。
だけど お母さんはそんな子猫が可愛いくて可愛いくて仕方ありません。
名前だけは かっこよく。
その子猫の名前は エリザベス。
お母さんもエリザベスも 今幸せに暮らしています。

今日聞いたお話です。
ぽかぽか をおすそわけ ♪