☆派遣戦隊 チケレンジャー☆
Amebaでブログを始めよう!

番外編①チケレンジャー飲み会。前編

チケレンジャーは皆成人である。そりゃま当然っちゃ当然か。未成年で入ってすぐ出来るような仕事じゃないからね。
自己紹介が遅れました。女ばかりのチケレンジャーたちと上司との板挟みにあっています、キナリです。
正直、いつもいっぱいいっぱいで彼女たちに任せっぱなし。。。上司のレイヴンさんにも怒られまくり。。。はぁ。


今日はいつもギリギリの体制で働いてるチケレンジャーにミーティングをしようと誘われたのはなぜか飲み屋。


「遅い!」「20分の遅刻。」「駆け付け何杯~?」「全員揃ったから始めていい?」
…女ばかりなのに弱い俺。桃花があっさり流して始まったこの酒宴。それにしても菜花以外はみんなビールと日本酒。深緋と萌葱に至ってはおっさんのような飲みっぷり。。。

一通りArea報告が終わると深緋を口火に皆が主張を始めた。
「休みたいんだけど。」「負担が大きい。」「North Areaギリギリ過ぎなんだけど。」「キナリさんもうちょっとなんとかならない?」




 ……うっ。わかってはいるんだ。俺はレイヴンさんのように彼女たちをまとめることは出来ないし仕事もあんまり。。。出来ていないかもしれない。。。

act3 North Areaとクレーマーズ(後)

仕事が全て終わったあとも私はただ呆然としていた。
「お疲れ様。」桃花さんと菜花さんが声をかけてくれた。「私たちの仕事はどうだった?」「初めてにしちゃちょっと重いかも知れないね。」
「そうですね…なんか…あまりうまく言えないんですけど…」私は少しずつ言葉を繋いでいった。
「お客様は…モンスターはどうなったんですか?モンスターになったら倒さなければいけないんですか?」
桃花さんと菜花さん淋しそうに笑って言った。「ベースボールのお客様のマナー低下は知ってるよね。自分勝手で怒り出す人が多くなってきてね。責任者として話し合いをするのが私たちチケレンジャーの本来の仕事よ?」
桃花さんが続けた。「けどねー、今日みたいにモンスター化しちゃって話し合いが出来ないこともある。その場合は警告・排除・そして消去。それが私たちの仕事。」桃花さんはきっぱりと言った。
絶句している私を見て菜花さんが続けて言った。「今日は排除だから麻酔銃を撃った。これから検査と取調べかな。人間に戻れるとは思う。」
「無事なんですね?良かったです。」とりあえず安心した。
「う~ん良かったかどうかはわからないけどね。」菜花さんのあとに桃花さんが続けて言った。
「あの母親娘はモンスター化して一般のお客様に影響を与えた。もうココでベースボールを観れることはないだろうね。つまりは出入り禁止。」
「そんな!?」驚いている私に更に追い撃ちをかけた。
「少なくないよ?最近は。クレーマーズにちょっと心の隙を見せるとあっという間。弱みに付け込まれる。私たちだって例外じゃない。」
「だから…まずはきちんと自分を守って?同情してる場合じゃない。」
「クリアじゃなくて自分のカラーになるの楽しみにしてるよ。お疲れ様。」桃花さんと菜花さんはそう言っていなくなった。
残された私は事実を知ったショックと素直に返事が出来なかったショックで泣きそうになった。チケレンジャーまではまだまだこれから。

act3 North Areaとクレーマーズ(中)

「ふざけんな!!」

 物凄い罵声のあと母親娘はあっという間にモンスター化していった。
どうやらキナリさんは洗脳を解くのが苦手なようだ。桃花さんと菜花さんは既にチケレンジャーに変身し飛び出して行った。周囲を避難させること出来ない私はただ様子を見ているしかなかった。
我を忘れ暴れ狂うモンスターを(打撃攻撃が得意な)ピンクが攻撃し、イエローは得意技の「数字縛」で動きを封じていた。
 「イエロー、このまま洗脳解けそう?」「そうだね~、計算はしてみるけど。」物凄い速さで電卓を叩くイエローこと菜花さんをピンクこと桃花さんはじっと見ていた。
 「クリアちゃん。」いきなりピンクに声をかけられた。「はっはい?!」「…どんな結果になっても私たちの仕事を見ていてね。」そう言ってイエローの元にかけていった。
「…結果は?」「…無理ね。支配は今に始まったわけではないみたい。」二人とも深刻そうな話をしていた。
「キナリさん。フロントとガードを呼んで。」
「排除だね。了解。」



 -そのあとはあまりに衝撃的だった。動けなくなっているモンスターを警備隊がぐるっと囲み、一斉に銃で撃ったのだ。そしてすぐに倒れたモンスターを運び去っていった。