春に、手術をした。
仕事は少しお預けになった。
疲れすぎた心身に、
この先どうしようと考えて
まっさきに浮かんだのが、
どこかでみた、なにもない野っ原の
風景だった。
旅の始まり
春の尾瀬ヶ原
なにもないのっぱらの中を
そらに向かうように、ただ
いっぽん
のびる木道
その風景を見たのがどこだったのか、思い出せない。ただ、どうしてもそこに立ってみたいと思った
その場所が尾瀬だと判明
腫瘍の手術が無事終わったら必ずこの場所に行く!と、回復しているはずの5月に行く、と手術前にすべての準備を整えた
はじめてのトレックング
はじめての山小屋泊
わからないことだらけ
しらないことだらけ
とりあえず、女子向け山小屋泊の教科書で準備してみる
『ランドネアーカイブ 山登りの教科書』
ともに枻出版社
(ちなみに、用意したものはそのまま、お風呂に入れない入院生活でも活躍したのでした。)
バスタ新宿から尾瀬号で、
戸倉でマイクロバスに乗り換えて
尾瀬の入り口鳩待峠へ
5月某日
快晴
ゲートを抜けて
いざ!
春の尾瀬ヶ原はまだまだ残雪
雪の残る道をひたすら降る
けれど、しっかり、春なのです
熊鈴もしっかり鳴らしながら進みます
あ!これ?これなのか?
生まれてはじめて見る
ミズバショウ
尾瀬ヶ原手前、鳩待峠から山の鼻へ降りる途中にも群生が。
野っ原の、
木道の先には
燧ヶ岳
振り返ると
まだ開山前の至仏山
なにもない
ただ広がる野っ原
憧れた、野っ原に
ひとり、まず、呆然と佇む
ここから、山小屋 弥四郎小屋まで
あと少し
幸せを噛みしめるように
一歩一歩、進みます
陽が傾くころ
迎えてくれたのは
見晴らしの山小屋、弥四郎小屋
暖かい木の造りに
ミントグリーンの窓枠が
かわいらしい
歩いてきた
たった一筋の木道と
なにもない野っ原
暖かいカフェ
お気に入りの場所
あんこのパイをいただきます
野っ原の日が暮れます
山に陽が隠れてしまう尾瀬ヶ原では、
夕焼けは見れないのだそう。
それでも優しく
今日が終わります
またあした、おやすみなさい














