これは先月下旬のこと。HPで桃のパフェがあることを確認した。猛烈に食べたくなった。桃!桃!と、足踏みに合わせて脳内リピートする勢いで訪問。
「桃は終わりました。」
…夏はもう終わったんですね。。。
「いえ、夏はこれからでございますが、あいにく桃は先週まででして。今週からは、オレンジとマンゴーパフェが始まりましたので、よろしければいかがですか?」
僕が言いたかったのは、"夏の間、もう桃はやらないんですかね"ということだったのだが、ショックのあまり言葉足らず、誤解を招く物言いになってしまった。だのに、なんて風流な返しをするのだ。さすがキャピトルの接客。本当にここは素晴らしい。平成が終わっても、この空気感をどうかそのままに…。
そしてこちらが、オレンジとマンゴーのパフェ。
8月5日、恵比寿リキッドルームでMERRYのライブがあった。アルルカンとの対バンだ。
2ヶ月前、鶯谷で始めてMERRYを知ってから、すっかり魅了されてここに行き着いた。先月は酷くて、「平日の女」という曲を聴きたくて、何度も聴きたくて、寸暇を惜しんで貪り聴いた。人と会話をしていても、「平日の女」が聴きたくてその場から1秒でも早く立ち去りたくて足がうずうずしていた。試験会場を出た瞬間、電源をオンにしイヤホンを耳に当てダッシュして喧騒を離れたほどだ。そしてそれは、今もさほど変わらない。
ライブが始まり、会場のボルテージも最高潮にぶち上がった頃、ふわりと赤いハットを被り、ガラさんがメロディ調に会場に語りかけた。
メロディに載せてMCをするガラさん、『♫次は、、不倫の歌を歌います〜皆さんにはまだ早いかもしれませんが、いつか〜こんな恋愛もいかがですか〜』
ミュージックビデオのままだった。ガラさんの身振り手振り、表情、口紅を塗りそして手で拭う仕草、全て。
僕は泣いていた。
ミュージックビデオでは、女性に扮して歌うガラさんと、男性の姿で歌うガラさんが交互に映し出される。後者の背景があまりにもアイロニカルで胸が苦しくなる。言葉にして言ってしまえば「法廷」。あーなるほどね笑、なんて思うと、一気に作品世界がチープになる。どうかそれだけは避けたい。世の中が、文春砲だのゲスだのファンキーだのに湧いて、SNS上で正義の刀振りかざしごっこが繰り広げられても、どうかこの曲の世界観だけは、綺麗なまま、優しい悲劇と哀しい喜劇の狭間でゆらゆらと揺れていて欲しい。
余韻に浸りながら、僕は1人カラオケに行きました。
どれもこの夏を想い、噛み締めたい曲ばかり。