詩的な何か@13
水面が揺れた。
波紋がじわりじわり広がる。
水面に映る僕の顔が波紋で歪む。
ほら、僕の悪い顔だよ。
いつだか君の指を刺した、
いつだか君の髪を掴んだ、
いつだか、いつだったか、
君の歪んだ顔に笑みを零した僕の顔だ。
僕らは人魚の夢をみた。
ゆらり、ゆらり、
自由に泳ぎ、微笑む人魚。
その血肉は不老不死の秘薬。
歌声は迷わせるほどに美声。
ああ、もし人魚を捕まえられたら、
僕は君にあげるのに。
泣いたって喚いたってあげるよ。
君に、人魚の血肉を悲鳴一緒に。
(だから、ほら、笑ってよ)
そんな血の気の引いた顔してないで。
血溜まりが僕の足元まで広がった。
ゆっくり、水面にも滲んでいった。
僕らは、人魚の夢をみた。
(それがハジマリだったんだね、)