かつて私はジープなどの四駆に乗っていた。あの力強い走りと頼もしさは、確かに魅力的だった。しかし、維持費が本当に大変だった。まず税金がすごい。自動車税や重量税、そして車検代もかかる。さらに、ガソリン代も馬鹿にならない。ジープのような大型車ともなると燃費が悪く、まるで100円玉を垂れ流しながら走っているような感覚だった。


それに比べて、最近の日本車の燃費の良さには驚かされる。リッター30キロを超える車も珍しくなくなり、技術の進歩を実感する。ただ、それでも車を所有し続けることの負担は小さくない。燃費が良くなったところで、自動車税や車検代、保険料、駐車場代といった維持費がゼロになるわけではない。そこで注目したいのが「シェアカー」の存在だ。


■ シェアカーの魅力


シェアカーの最大の魅力は、「所有しないこと」から生まれる経済的なメリットだ。車を所有していると、毎年かかる自動車税、数年に一度の車検代、そしてメンテナンス費用が必要になる。それに対してシェアカーは、これらの維持費が一切かからない。必要なのは「使った分だけ」の料金だ。


利用方法も非常にシンプルだ。スマホのアプリで予約し、指定された場所に行って車を借りるだけ。返却も同じ場所か、サービスによっては別の場所への乗り捨てが可能な場合もある。わざわざディーラーに行って契約をしたり、保険の手続きをしたりといった煩わしい手間は一切ない。


さらに、メンテナンスの心配も不要だ。タイヤ交換やオイル交換、エンジントラブルなど、車を所有していると避けて通れないメンテナンスの負担がゼロになるのは非常に大きい。万が一、事故やトラブルがあっても、シェアカーサービス側が対応してくれるため安心感もある。


■ 都心でこそシェアカーが有利


特に都心では、シェアカーの利便性がより際立つ。都心部では駐車場代が非常に高額だ。月極駐車場だと3万円〜5万円は当たり前。これに加えて、時間貸し駐車場も1時間数百円と高額になることが多い。車を所有しているだけで発生するこの「駐車場コスト」が、シェアカーを使うことで一気にゼロになる。


また、都心部は公共交通機関が発達しているため、日常生活では車が必須ではない。買い物や通勤は電車やバスで十分にカバーできる。そんな環境で車を所有する意味はどんどん薄れてきている。必要な時だけシェアカーを利用すれば、コストを抑えながら快適な移動手段を確保できる。


■ 所有から共有へのシフト


最近、車を「所有」するのではなく「共有」する流れが強まっていると感じる。背景には、経済的なメリットだけでなく、「必要な時に必要な分だけ使う」という合理的な価値観が広がっていることがある。車は使わない時にはただの「負債」となる。だったら、必要な時にだけ借りればいい。


環境への配慮も、シェアカー人気を後押ししている。車の総量が減ることで、製造時や使用時のCO2排出量が減少する。これは持続可能な社会に向けた重要なステップとなる。


■ シェアカーで得られる「身軽さ」


シェアカーに切り替えることで、コストの削減だけでなく「精神的な身軽さ」も得られる。駐車場を探す手間やメンテナンスの心配から解放され、必要な時だけ車を使える自由さ。こうした「所有の重み」から解放される感覚は、一度味わうと手放せなくなる。


車を所有していると、愛着やステータスといった感情的な価値を感じることもあるかもしれない。しかし、その価値に見合うだけのコストを払い続ける必要があるのか? その答えは、今の時代「NO」になりつつある。


時代は、所有から共有へ。シェアカーという新しい選択肢を取り入れることで、より自由で快適な生活を手に入れられるはずだ。