先日、ふと立ち寄った蕎麦屋で思いがけず美味しい蕎麦に出会いました。これまでいろいろな蕎麦屋を巡ってきましたが、今回の蕎麦は「これは…!」と思わず声が出そうになるほどの完成度。シンプルながらも蕎麦そのものの香りやコシが際立ち、「これは当たりだ」と確信しました。とはいえ、完璧とは言えない部分もあったのが正直なところ。今回はその体験を詳しく書いてみたいと思います。


ワンオペでも丁寧な接客


店内に入ると、スタッフは一人だけ。いわゆる「ワンオペ」状態で、注文から調理、配膳、会計までを一人でこなしているようでした。ランチタイムを外して訪れたため、そこまで混雑していたわけではありませんが、それでも店主は忙しそう。にもかかわらず、対応は丁寧で、こちらの質問にもきちんと答えてくれる姿勢に好感が持てました。


大盛りにして正解


メニューを見ながら「大盛りにするとどのくらい増えるんだろう?」と疑問が湧き、思い切って尋ねてみました。店主は「通常の1.5倍くらいになりますね。他店のように2倍まではいかないですが、しっかり満足していただける量です」と、具体的な説明をしてくれました。


これまで行った他の蕎麦屋では、大盛りにしても「これで大盛り?」と思うような量だったり、逆に2倍近くになって途中で飽きてしまったりすることもありました。でも、今回の1.5倍という量は絶妙。多すぎず、少なすぎず、蕎麦の風味や食感を最後まで楽しめるちょうど良いバランス。結果、大盛りを選んで大正解でした。


肝心の蕎麦、非常に美味い


そして肝心の蕎麦。これが本当に美味しかった。

細めながらしっかりとコシがあり、噛むたびにそば粉の香りがふわっと広がります。茹で加減も絶妙で、硬すぎず柔らかすぎず、まさに理想的な食感。これまで食べた蕎麦の中でもトップクラスかもしれません。


特に「香り」が素晴らしい。蕎麦を口に運んだ瞬間に鼻に抜けるそば粉の風味が、これほどまでに心地よく感じられることはなかなかありません。丁寧に打たれた蕎麦であることが、はっきりと伝わってきます。


ただ…ツユが惜しい


しかし、ここで唯一惜しいと感じたのがツユ。

蕎麦そのものがこれほど美味しいのに、ツユがやや薄く、風味が物足りない。出汁の旨みやかえしのキレが少し弱く、全体として締まりが感じられませんでした。


たとえば、他店で食べた「キリッとした濃いめのツユ」と比べると、明らかにパンチが足りない。もちろん「ツユは薄めの方が蕎麦の風味を邪魔しない」という考え方もあるのですが、個人的にはもう少し醤油のコクや出汁の強さが欲しかったところです。


蕎麦がこれほど美味しいだけに、ツユの物足りなさが逆に目立ってしまう…。このギャップがもどかしくて、なんとも言えないモヤモヤが残りました。


まとめ


今回訪れた蕎麦屋は、間違いなく「蕎麦そのもののクオリティ」は非常に高かったです。大盛りの量もちょうど良く、他店と比べても満足感が高いレベル。店主の対応や店の雰囲気も良く、全体としては好印象でした。


ただ、唯一惜しかったのがツユ。これがもう少し力強く、蕎麦の香りや味を引き立てる仕上がりであれば、間違いなく「最高の蕎麦屋」になっていたと思います。


次回訪れた時にツユの改良があるのか、または自分の舌がツユの良さを理解できるようになるのか…。その答えを探しに、もう一度訪れてみようと思います。