せっかくこのあたりではめずらしく
きれいにつもった雪を、泣きながらつぶして歩いた夜中
それでも綺麗すぎる真っ白な世界はつぶし切れやしなくて
むしろ、あたしの歩いてきた道に、きちんと足跡をのこし、
あんたは歩いてるよ、大丈夫だよって言われたような気がした。
7回目のバレンタインは、本命にはあげなかったな。
はじめて、バレンタインを恨んだかもしれない。
でも、きちんと電話をして、会えないあたしとどうやったら続けていけるか、
考えていてくれたことを話してくれた。
一緒に暮らそうかって、言われた。
我慢できない馬鹿男と、あいつの気が短いところも好きでいる馬鹿女の
選ぶばかなみち。
とりあえず、会いたがってるってことだけ
わかってしまった。
かわいいなあと、思ってしまった。
だって、すきなんでしょう。
ばればれすぎて、大好きなんだな。
笑えばいいよ。
それでも、あたしは彼が好きなんだ。
仕方ないんだ。
あたしのいたみを、よくわかってくれるんだもん。
誰より、愛してくれるんだもん。
それだけあれば、十分なんだ。
一緒に住むかどうかはわからないけどね。
うちの家族が、なんていうか、わかんないから。