出来上がった過去の時間と

作り上げられようとする未来の時間

そして今の自分が交差して

存在と時間の十字路にぼくは立っている

どこか別の時間にいるきみとぼくは

若さにかまけたひとときを過ごし

卒業をむかえようとしている

肌がひしひしと自我の季節に震え

未知へ飛び込もうとしている

君の美しい面影は変わりなく

笑顔もまた健在だ

ぼくは大胆で、人前では変わらずシャイだ

かつてあった時間の、少し違った曲がり道

ぼくらには懐かしい希望があった

恥じらいがあった

自分の気持ちに真っ直ぐであろうとする

自然の配下にいた

 

こんにちは もう一人の自分

そんなに驚くことはない

ぼくの決断の鉄槌はお前を消滅させたりはしないから

ぼくは夏の木陰に休んで

秋の穏やかな眼差しを手に入れた

きっと同じ空の下で

 

忘れることのない過去の引き潮と

まだ訪れることのない上げ潮は

遠くの海原で藍さを増し

海鳥のようにキラキラと光に踊る

この同じ街にいるきみとぼくは

ふと何かの拍子に、物憂いひとときを過ごし

忘れかけた思いにつまずいている

もう一つの入学は確かにあったのだ

きみとの出会いがそうであったように

驚きはこの時空を震わせ

子時間、孫時間を作った

ぼくはその夢の中で今の時間を失い、代わりに

かつてあった時間の、さらに遠い未来

ぼくらの秘めやかな情熱の腕に

その真っ直ぐな手に

載っていただろう優しさを見た

愛おしさを見た

 

おはよう もう一人の自分

そんなに嘆くことはない

ぼくの迷いの麻紐がお前を繋ぎとめることはないから

ぼくは束縛の窓からきみを見て

その愛らしさに焦がれた

この魂自由になると信じた