*レミング 大増殖の後に死の行進をするといわれていたタビネズミです。

        集団自殺はどうやら迷信らしい 

 

ぼくらはレミング

崖下へと集団で疾走する

現実の突端、夢の絶壁へと

ただやみくもに走る

 

無意識の力に先導されて

仲間と共にひた走る 

集団で坂を一気に下る

足元が無くなるその瞬間ま

夢中で公道を走っている

時間に急ぎ 生に急ぎ 死に急ぐ

 

さようなら さようなら 現実とは一瞬の別れです

 

それは永久の別れです

世界に魅せられたときから

決別はすでにぼくの中にあった

愛がある理由とともに そして

希望を持つ理由とともに 

不平不満とともに

 

太陽は遠き空に傾き

ぼくは深き闇に傾く

思考に死に、また生きる

 

この世界は小さな箱庭

見えない壁に仕切られて

手の届きそうな仮想現実に

って振り回される

空想が暴走となるその時まで

痛みが自覚されることは無い

空想になかった痛み、絶望は

 

さようなら さようなら 世界よ公約数的心よ

 

重力への落下は煉獄だった

対峙するぼくらは対消滅する粒子

宇宙空間はぼくらの中にあった

誰もが遠ざける闇に荒野は隠れ

宇宙の深淵に

思考は飲まれる

 

この世界の幻よ

物質の放射現象よ 

天国と地獄のバイオスフィアは思考だった 

美を、故郷を形成し 

悪と醜さも形成して

心に二律背反を作った

生への欲求と死への欲求

ぼくらを狂わすもの