ハルは南天に陽炎を昇らせ

太陽からの風は

錆びれた情熱に火をつけ

電線はぶるぶると青空に映え

風の鳴らす弦の旋律は

雲の楽譜を一瞬ごとに書き換える

空渡る鳥は単調に翼を広げている

G線の滑降は目覚めを捜すが

ハルのまどろみの歌は

まだ、石には届かない

深く眠りについたあなたの心には

 

天地の杯に季節は注がれ

目覚める神曲の火の幻影

ベズーホフの水晶の天球儀

光の袈裟が星を包む

コードは呼び、訴える

今年の星のアルファベットを

 

 

ハルは地中に燃え上がる命を秘め

動き出した意識の根は

地中に隠した夏の言葉を捜していた

地面に倒伏した秋の卒塔婆は

かさかさと失った生気を

大気の息吹に夢見るばかり

のカノンは太陽へと手を伸ばす

イコンは目覚めた天使を捜すが

ハルの大地のリズムは

まだ、街には届かない

四角く区切られた檻には

 

眠るの蓋は開かれ

目覚めるリーマンの球体

ベールイの多眼球体

花のアラベスクは描く

ブレイクの宇宙、統一と多様性

手に載ったハルの演算子を