アララト山は宇宙の灯台(Lighthouse)

ときおり、迷った彗星(Comet)やら小惑星(Asteroid)やらが近づいて来る。

 

ポピーが水素自転車(Hydrogen Bicycle)を走らせていると山頂に彗星(Comet)のミラーボールが回った。

テント岩(Canvas Rock)のあちこちにあるラジオ石が歌う日として知られている。

急いで部屋に戻ると案の定、そこいら中でおもちゃ(Toy)が散乱している。たいていが円舞(Spin)している中で、ブリキ製のおもちゃだけは放送局(Broadcasting station)となって原子の歌(Atomic Songs)を歌いだす。

こういう日はシルク製でおめかし。

町の中心の楽譜広場(Score Space)は人でいっぱい。

まっすぐに伸びたBroad-Wayの先の天象館(Planetarium)では素粒子のCosmic Operaが上映される。

 

爆発靴(Bomb Shoes)を履くと放物線歩行(Parabola Walk)が出来る。

たいていが地上から2・3mの高さだが、10mのつわものもいる。

ポピーは5メートル用爆発靴(Bomb Shoes)を履いて出かけた。

今日は惑星予報(Planet Forecast)によると小惑星帯の迷い星(Confusion Star)がアララト山に降るという。

迷い星(Confusion Star)の成分によって数々の星の花(Star Bloom)が咲く。

古代の写真集で見た星雲の数々に似ている。

確か『HUBBLES CANVAS』。

アララト山は前前前…世紀からのもの。

星の花(Star Bloom)の成分に魅かれた古代種が山の麓にホログラフとなって現れる。

ポピーはいまかいまかと出現を待ったが、

ポピーが見たのは人間の古代種だった。

古代種は銀河のミラーボールの下で狂喜乱舞している。

それは人間という種のカンブリア爆発だった。