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当時、日・月曜日が休みだった私は休みの度に練馬区大泉学園に通っていた。
父との関係は悪化するばかりで、父から逃げるように、そして日常の憂さ晴らしの為からだった。
私が家事をしながら昼間の仕事を始めてから半年と経たぬうちに、父は仕事に殆ど行かなくなり、朝から酒を飲むようになっていた。
父も、そのころはまだ自分の中でこのままではいけない、という危機感はあったのだろう。
素面の時は私に優しく接したり、一緒にご飯を食べようと誘ってくれたりもした。
勿論、私も父がお酒を絶てる道はないかと色々と悩んでいた。
親戚や父の友人に相談したり、家中に隠してある酒を全て捨て、私も家では酒を飲まなかった。
しかし私は何もわかっていなかった。
何故この時、アルコール依存症の専門医を尋ねなかったのか今でも悔いが残る。
変わりたいという自分の意思の力と、周りをの思いやる心の働きで何とかなると信じていたのだ。
父は、酒に溺れていった。
夜になると、私に一緒に寝ようと言って来た。
朝、私が仕事に行く前にも既に酔っており、一緒に映画を見ようとまるで駄々をこねる幼児の様に虚ろな目で何度も何度も私を引き止めた。
私は酒に酔った父を何度も罵倒した。
泣きながら懇願した。
頼むからもう酒を止めてくれ。
私とパパの未来の為に止めてくれと。
私は恐ろしかった。
あれほど愛していた父への嫌悪感。
そして何より、父の要望に答えてしまうかもしれない自分の精神の危うさが。
新年。
その年は大雪で、町中が雪に覆われていた。
山々に囲まれた町は一面の銀世界で、全ての煩わしい物事をこの雪が包み込んでしまえばいいのに。跡形もなく消えてしまえばいいのに。と考えが過ぎった事を覚えている。
父がどうしてもというので、大晦日から一週間ほど施設の叔父を家に連れ帰った。
私は不安だった。私の仕事が始まったら、叔父の昼食を父が用意できるのかと。
しかし、父もきっと血を分けた兄弟と一緒に居たいのだろう、寂しいのだろうと、私は絶対に大丈夫だという父を信じることにした。
大晦日は当時付き合っていた、今の主人であるが、彼を家に招き4人で新年を迎えた。
父は彼を偉く気に入り、終止ご機嫌だった。
彼が帰った後も、叔父が家に居ることで私も心がとても和み、三が日は父も酒に溺れることもなく平穏な時を過ごした。
1月4日。
この日から私は仕事が始まったので、父に叔父の事をしかっり見るようにと何度も確認してから家を出た。
午後4時。
夕飯の買い物を済ませ私が家に帰ると、叔父が寒空の下、耳を真っ赤にして玄関の前に立っている。
私は何事かと叔父に駆け寄ると「お腹空いた。お兄ちゃん外で待ってろって。」
私はあまりの怒りで身体が震えた。
そして私は、この感情が単なる怒りではなく父への憎しみだと気づいた。
生まれて初めて、父を心の底から憎いと思った。
父との関係は悪化するばかりで、父から逃げるように、そして日常の憂さ晴らしの為からだった。
私が家事をしながら昼間の仕事を始めてから半年と経たぬうちに、父は仕事に殆ど行かなくなり、朝から酒を飲むようになっていた。
父も、そのころはまだ自分の中でこのままではいけない、という危機感はあったのだろう。
素面の時は私に優しく接したり、一緒にご飯を食べようと誘ってくれたりもした。
勿論、私も父がお酒を絶てる道はないかと色々と悩んでいた。
親戚や父の友人に相談したり、家中に隠してある酒を全て捨て、私も家では酒を飲まなかった。
しかし私は何もわかっていなかった。
何故この時、アルコール依存症の専門医を尋ねなかったのか今でも悔いが残る。
変わりたいという自分の意思の力と、周りをの思いやる心の働きで何とかなると信じていたのだ。
父は、酒に溺れていった。
夜になると、私に一緒に寝ようと言って来た。
朝、私が仕事に行く前にも既に酔っており、一緒に映画を見ようとまるで駄々をこねる幼児の様に虚ろな目で何度も何度も私を引き止めた。
私は酒に酔った父を何度も罵倒した。
泣きながら懇願した。
頼むからもう酒を止めてくれ。
私とパパの未来の為に止めてくれと。
私は恐ろしかった。
あれほど愛していた父への嫌悪感。
そして何より、父の要望に答えてしまうかもしれない自分の精神の危うさが。
新年。
その年は大雪で、町中が雪に覆われていた。
山々に囲まれた町は一面の銀世界で、全ての煩わしい物事をこの雪が包み込んでしまえばいいのに。跡形もなく消えてしまえばいいのに。と考えが過ぎった事を覚えている。
父がどうしてもというので、大晦日から一週間ほど施設の叔父を家に連れ帰った。
私は不安だった。私の仕事が始まったら、叔父の昼食を父が用意できるのかと。
しかし、父もきっと血を分けた兄弟と一緒に居たいのだろう、寂しいのだろうと、私は絶対に大丈夫だという父を信じることにした。
大晦日は当時付き合っていた、今の主人であるが、彼を家に招き4人で新年を迎えた。
父は彼を偉く気に入り、終止ご機嫌だった。
彼が帰った後も、叔父が家に居ることで私も心がとても和み、三が日は父も酒に溺れることもなく平穏な時を過ごした。
1月4日。
この日から私は仕事が始まったので、父に叔父の事をしかっり見るようにと何度も確認してから家を出た。
午後4時。
夕飯の買い物を済ませ私が家に帰ると、叔父が寒空の下、耳を真っ赤にして玄関の前に立っている。
私は何事かと叔父に駆け寄ると「お腹空いた。お兄ちゃん外で待ってろって。」
私はあまりの怒りで身体が震えた。
そして私は、この感情が単なる怒りではなく父への憎しみだと気づいた。
生まれて初めて、父を心の底から憎いと思った。
ソラリスを観た。
自分が一番執着しているものは何だろうか。
愛する人か。
失った人か。
子供か。
自分自身か。
そしてソレが、隔絶された世界で自身の目の前に現れたらどうするだろう。
頑丈な窓の外に広がる広大な宇宙。
圧倒的な美しさと、破壊と再生を繰り返すその世界の中で、自分がどれだけちっぽけな存在に見えるだろうか。
そこでソレに出逢ったら?
例えそれが偽物だとわかっていても。
記憶に過ぎないのだとしても。
地球に戻れる気がしない。
自分が一番執着しているものは何だろうか。
愛する人か。
失った人か。
子供か。
自分自身か。
そしてソレが、隔絶された世界で自身の目の前に現れたらどうするだろう。
頑丈な窓の外に広がる広大な宇宙。
圧倒的な美しさと、破壊と再生を繰り返すその世界の中で、自分がどれだけちっぽけな存在に見えるだろうか。
そこでソレに出逢ったら?
例えそれが偽物だとわかっていても。
記憶に過ぎないのだとしても。
地球に戻れる気がしない。