「まぼさん忙しいところすみません」

カウンターから朋美の声。
俺は慌しくブラウザに表示されたWeb漫画を最小化し、「施工体系が一箇所間違ってるな」などと意味不明で適当な言葉をカモフラージュ用に放り投げておいてカウンターへ近づいた。

あまり暇そうにしていると病み上がり特権のデスクワークに疑いの目が向けられてしまう。

 

サボるのも一苦労だ。

来客は日産ディーラー。
社用車の車検が終わり納車に来たようだ。
ん?
若い女性?
小柄だが肉感的な肢体はツナギ姿というギャップと相まってなんとも・・・。

まぼ「むしゃぶりつきたくなる衝動に駆られるほどだ」
朋美「・・・声に出てますよ」
まぼ「・・・で俺に何用?」
朋美「この人が乗せてくれるということなので」
まぼ「え?え!」
朋美「実は先に私、さっき乗せてもらったんですよ」
まぼ「詳しく聞かせてもらおうか」
朋美「興奮して声出ちゃって、恥ずかしかったな」
まぼ「なにそれエロい」
 

名刺には整備担当の「美穂」とある。

美穂の様子を伺う。

彼女から好奇心と羞恥心との葛藤が見て取れるのは俺の欲目だろうか。

まぼ「え、ええの?」
美穂「はい。今キャンペーンなんで自由に使ってみてください。あ…でも、あんまり…手荒は…他の方も乗られるので…///えへ」

このクソビッチが!
と思いつつも俺は最近元気のない股間をまさぐった。
確認するまでもなくバリ3だ。
これで勝てる。

・・・。

まぁ、新型リーフの試乗なんですけどね。
脳内変換で会話だけで結構萌えましたよ。
ご馳走さまです。

で、実際試乗させてもらうと静かすぎて驚愕。
にもかかわらず立ち上がりの加速の伸びに仰天。

運転しながら童心に返ったようにきゃっきゃと騒いでしまったがこの男紛れもなく46歳である。

美穂「一回の充電で570km走行可能になりました」
まぼ「使える使える」
美穂「お値段もお求めやすくグレードによりますが500万でお釣りがきますよ」
まぼ「使えねぇな、おい」

しかしデメリットである(短い)走行距離という死角がなくなったことでこれからますます普及していくのだろうな。
なんて純粋に思ってしまった。
俺可愛い。

そんなことより電気自動車の試乗の後は・・・。

まぼ「この女に乗りたい」
美穂「・・・声に出てますよ」

結局俺のギアを上下してもらえるような事故にはあうはずもなく社内に戻り、昼飯くってくっさい屁こいてよだれたらしたままさっきまでデスクで居眠りこいて今に至る。

そんな日常。