昨日、休日出勤だったこと忘れてて寝坊して、「もぅ、しょうがない子ね」なんて言われながら社長から踵落し決められること覚悟で出社中の車内、FMから流れるのは夏を惜しむようなソレっぽいJポップ。

いつまでも夏してろ、お花畑の皆様。

なんて、何もなかった夏とお前らリア充に毒吐きながらのシフトチェンジは悪戯に嫌な汗の量と血圧を上げるだけ。
右手親指の爪を噛んだってそんなイライラ仕草なんて誰もみちゃくれない。

・・・また夏が終わる、もうさよならだね・・・

FMからは、ああ、これは、懐かしいな。
ミスチルのデビュー曲、「君がいた夏」だっけか。
と、同時に、20数年前の情景がフラッシュバック。

「ちょっと、これ、この曲!というかさ、このバンド!これから売れるよ!」

俺の部屋にノックのせずに細長くうすぺらい板、CDシングルを片手に宝物を発見したかのようなキラキラした笑顔で奴は飛びこんできた。

まぼ「バンド名が気に食わない。却下」

俺は聴きもせずにそんな言葉を放り投げた。
憮然とする彼女。
ところがその後のそのバンドの快進撃は周知のとおり。
「私が育てた」と言わんばかりの誇らしげな笑顔は今でも忘れられない。

松本。
彼女の苗字は松本。
名前ももちろん覚えてる。
なれなれしく名前に「ちゃん」や呼び捨てする俺が、苗字で「松本」と呼んでいた珍しい存在だった。
学生アパート、俺が2階で奴が1階に住んでいた。
お互い気が合いすぎて、当時付き合ってたお互いの異性が離れていったほど俺らは日々が近すぎた。

一緒に居るのが至極自然なほど。

学校から帰れば、どっちかの部屋にどっちかが「めしー」といって当然のように上がりこみ、くだらないことをだらしないかっこで何時間もだべったり、本棚漁っては沈黙が心地いいほどお互いがそこにいるのが当然な空間がそこにあった。
異性として俺を意識してなかった松本は、異性関係を平気で俺に相談してきたが、結局長続きしなかったのが俺らの距離の近さだなんて気づいたのは果たしていつだったろうな。
俺にしても何か困ったことがあるごとに、「松本に相談しようか・・・でもたぶん冷やかされるだろから、やめとこ」なんて、どっかで聴いたことあるフレーズよろしく、親友以上のスタンスで接していた。

果たしてこんな俺らがベターハーフだったのかどうかの答えなんて、彼女が俺の苗字になって、子を産み、そして別の道を歩んでいった経緯から、なるほど、なんて頷く俺は人生の面白さ、可笑しさ、難しさに苦笑しながら・・・。

・・・。

会社を遅刻した。

(´・ω・`)


<Tips>
カラオケが大嫌いだった。けど、今よりも何かの二次会やらには必ずその場につれてかれる、そんな第3次カラオケブーム(適当w1990年前後)、B’zには大変お世話になりました。その中でも「彼女はいつもミルクティー」で始まり「松本に相談しようか、でもたぶん冷やかされるからやめとこう」ってフレーズが印象的だった「恋心」、何かのB面(ああ、ググろうかなと思ったけど面倒くさいのでやめときます)だったけど、歌いやすくてしょっちゅう歌ってました。うん。そばに「松本」がいたのがイジりやすくて盛り上がったってのもありますけどね。
そそ、今は昔。僕も僕らもまだ輝ける未来があるって根拠のない自信があったころの拙い思い出です。