光を失うことの恐怖・・・ | meke-meke55のぐだぐだブログ

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まったり、だらだら、ぐだぐた話にお付き合いいただければ、幸いです。

私は、目が悪く、小学生の頃から

メガネ星人

でした。

だから、サングラスをかけたくても、
かければ、周りが見えなくなる。

まぁ、似合うかどうかは別の話だが。


20歳そこそこの頃、友人数人でプールへ行くこと、
行く羽目になった。
そもそも金づちな私は、プールは縁がない場所だったが。

そりゃぁ、泳げない私には、何しに行くのか・・・
ただ日焼け、火傷しにいくだけなのかもしれない。

もし、目だけでも良ければ・・・

お兄様方の6パックやお姉様方の水着姿を鑑賞すること位は
出来るかもしれないが・・・


そう考えると、私が行くべきところではないのは解る。


プールで、メガネはどうするべきか・・・悩んだ。
プールで普通のメガネは、なんか違和感でしかない。
今でこそ、度付きのサングラスはあれど、当時は
そんなものはなかったし、ファッション用の1000円
位なのが精いっぱいで、あっても高価なものは買える
わけもなかった。

結局、目が悪い私は、何もできないでいた。




近年、視力が悪くなりすぎて、正直0.1も
見えていない状況。

このまま、光を失うのか・・・

実は密かに悩んでいた。
なら、医者に診てもらえばいいだけの話だが、

「もう、手遅れです」

と言われるのが怖かった。
とはいえ、

「オペしましょう」

となるのも怖いし、お金も心配。
目のような繊細な場所、失敗したら
何も見ることが出来なくなる。
そう考えると勇気が出なかった。

そもそも、目薬ですら、体がビビッて
上手くさせない私に、目のオペなんて出来るのか?
イメージだけが先行する。
手術台に固定され、身動きが出来ない状態で
目に迫りくるメスが私の眼球に突き刺さろうと
している。

恐怖でしかない。

そう考えると、本当の私は臆病者だと思う瞬間である。


しかし、
自動車免許更新の期日が迫りくる。
田舎は車の免許がないと、当然不便。

そして、このまま見えないでいることも、
決して良くもないし、誰も助けてはくれない。

できることはやっておくべきだ。
それでだめなら諦めもできるだろう。

重い腰を上げて、とにかく診察に行くことを決断。


土曜日の診察をしてくれる病院を探して、
診察を受ける。
先生が、若くさわやかなイケメン。


昔ながらのイカツイ先生なら、逃げたくなったかも。


朝一番から病院へ来て、いろんな検査をする。
視力検査に眼圧測定、瞳孔を開く目薬を差し、
いろんな写真を撮ったり。

しかし、事は意外にスムーズに流れている。
確実に時間は経っているし、待ち時間はないわけでは
ないが、あまり気にならない、というか、私自身に
余裕がないだけか。


そして、先生の診察が始まる。

「うん、オペしかないね、でもオペすれば治るよ」

とのこと。
そして免許更新に間に合うことも確認。


「痛くないですか?本当に見えるようになるんですか?」

そう言う私のビビりようは、先生にもバレているようで。

「大丈夫。痛みはほとんどないし、あっという間にオペは
 完了。翌日にはその景色が変わって見えるよ。」

やっぱり医者の言葉って、心強い。
結果はどうであれ、先生を頼るしかない。

と言うことで、オペに踏み切る決断がようやく出来た。



オペは、両目一度ではなく、片目ずつやることに。
左目をやってから、1週間後に右目を施術。
金曜日にオペをすれば、翌日の検診は土曜。

なぜ、両目を一度にやらない計画なのか。
それは、保険の関係で、両目1度にやれば、
一回分としてしか保険が下りないから。

それでも、保険は全額出ない。
以前は保険で全額出ていたようですが
特約からはずれたからのようです。

そしてついに来たオペ初日。
まず、左目のオペの日。
朝一番で、いろいろ準備が始まる。
そして、腕に点滴を繋がれ、車いすでオペ室に向かう。

オペ室に近づくにつれ、人気は少なくなり、
私の緊張は高まるばかり。
そして、オペ室の扉が開いた。

そこは紛れもなくオペ室。
外の世界とは違う、ピンと張りつめた透明感ある空気。
すべてがクリーンに保たれた部屋。

私の緊張も最高潮に近い。
地に足がついている感じがしない。

オペ椅子に座り、手際よく準備されていくが、
よく解らないうちにてきぱきと進む。
ふと気が付けば、今までの緊張が嘘のように
消えている。笑気ガスのせいなのかな。

そしてオペが始まる。
痛みはなく、暗闇に光が見えているイメージ。
でも何されているのか分からないまま、
オペは終了する。

感覚的には20分くらい。
あっという間だった。

そして、オペした目は眼帯をして、帰宅。
勿論、車の運転ができるわけでもなく、
タクシーで帰宅。
正直、視力がかなり悪い片目だけでは
何もできない。
とにかく、寝ていることにした。


翌日は、術後の検診。
まずは、眼帯を外すことから始まる。
ゆっくりテープをはがして、眼帯が外れたその時、
少し明るくてまぶしい感じに驚き、一瞬目を
閉じてしまったが、ゆっくり目を開く。


「おおお」


片目だけでも遠くがはっきり見えている感じ。
ただ、まだしっくりこないし、手元や近くは
逆に見えづらい。

脳内での処理が追いついてない感じがする。


でも、
これ、眼鏡かけてないうえに、術前よりはるかに見えている。

やはり、医学の力はすごい。

でも、まだ昨日オペしたばかり。
落ち着くまでまだ時間がかかる。
というか、

術後1週間は洗髪と洗顔禁止。

これ、今の時期、結構つらいかも。
洗髪は美容院などで、気をつけてもらいながらなら
OKって。

とりあえず、ドライシャンプー買ってみたが、
やはり、なんか今ひとつ。

痛みとかではなく、気持ち悪さとの闘い。
でも、

もう片目が残っているので、+1週間になる。

思わぬところの闘いが始まる。

あとは、3種の目薬を1日4回。
結構面倒ではある。


そうこうしているうちにもう片方の右目のオペ。
もう、一度経験しているため、それほどの
ビビりは出なかったものの、怖いものは怖い。

1週間後に同じくオペは無事終え、帰宅して
翌日に検査。無事終わったようだ。

ようやく両目が見えるようにはなった。
しかし、ちょっと違和感がある。
安定するまで、もうしばしかかるんだろうな。

あとは、3種の目薬を1日4回の継続と、
洗顔、洗髪制限が、もうしばし続く。


でも、快適すぎる。
術後の保護メガネ生活も、そもそも小学生からの
ベテラン眼鏡星人には、何の苦にもならない。


そして今、もう基本眼鏡は不要になった。
近くを見るときに少々必要になるときもあるが、
普通にいる分にはもう必要ない。

眼鏡との数十年の付き合いもこれで終わるかと思えば、
寂しい気もする。周りのイメージがあるので
ダテメガネもありかな。


そして、免許更新も無事終了。
近年の免許更新で、こんなにドキドキしなかった
ことはなかった。初めてだ。

今回、眼と言う器官のありがたみを感じました。
たしかに、耳が聞こえないとか、声が出ないとか
なくてはならないものは沢山あれど、眼が見えないことの
不自由さだけでなく、その恐怖感は、半端ない。


今回は日本の医療技術と先生のオペ技術、薬などの
恩恵を随分受けました。江戸時代なら決して出来なかった
であろう今回のオペも、多くの人の研究の賜物ではあると
思う。

そして、今回はその恩恵にお金を出して買ったような
ものではあるが、結構な額であった。しかし、後悔はない。
そして、いくらお金を積んでも買えない健康との
付き合いも、これから出てくるんだろうな。
 

まぁ、この年になれば、若いころのようにはいかない、
悪いところは眼だけではないんだが。