わくらば日記
310ページ
朱川 湊人
ブログにコメントくれた奈月ちゃんからのオススメ。
ノスタルジックってどんなものを指すんだろうと思いながら読み始めました。
主人公と不思議な力を持ったお姉さんの物語が短編で5話入ってます。
今回はのんびり読んでたから付箋付けなかったんだ。やっぱり要点がぼやけるから付箋付けよ
(´・ω・`)
昭和の始めが時代背景にある。生きるために、食べていくために働く時代の人間、現代人とは別の人間に見える。素朴でシンプルな目的がある人間。
印象に残ったのは2話目。
殺人犯の頭の中を覗いたお姉さん。
「この人の記憶…全部夢みたいになってる」
過去に痛い目にあいすぎた犯人は、痛いと感じるのをやめる。その代償に、喜びも温かさも全部感じなくなってしまった。だから人を殺したことも頭の中ではぼやけて夢のようで罪悪感が微塵も残っていなかった。
そんな犯人の頭の中にも鮮明な記憶があった、
「幼い日に見上げた高い高い空」
それだけは色褪せていなかったっていうシーン、胸がギューーってなりました。
辛さに鈍感になれたら楽なのにって思うけど、辛さにだけ鈍感になんて都合のいい事にはならないんだよね、きっと。
もうしたいことも無いからってボケーーっとしてるから辛くないのかもしれないけど、でも楽しくもないよ。
そんなもんだよね。
辛いこともたくさんあった、でもすごく楽しかった。
そんなもんでした。
私も「高い高い空」みたいなのをいつか取り戻すことを望むかな…
きっとそれは楽しい、きっと同時にすごく辛い、そんな「空」みないなものを。
「この世で一番悪いことは、人の命を取ることです。その次に悪いことは、信頼を裏切ることです。自分が信じられていることに、誇りを持ちなさい。信じられたからには、もう自分一人の体ではないのだと思いなさい。信じた方が悪いだなんて口が裂けても言ってはいけません。あなたを信じた人はあなたを愛した人でもあるんですから」
姉妹のお母さんのお叱りの言葉。ストレートに響きました。
私は今でもゆーりくんって人を信じてる。
これ、続編もあるみたい、いつか読みたいな。
★★★☆☆