≪俺≫
「それじゃ、お先にーっ」
午後6時。
パートのピン子さんが俺達に声を掛け、いつも持ち歩いている小さなリュックを
「よいしょっ」
と呟きながら肩にかける。
「お疲れ様でした」
俺や親父の言葉に手を振りながらピン子さんは帰って行った。
ピン子さんにはいつも開店の午前11時から入ってもらい、閉店一時間前の午後6時に上がってもらう事になっていた。
今日中にあらかた売り切ってしまいたいので、ここから閉店までの間は商品のダンピングを始める。
一袋120円で売っていた4本入りのキュウリを二袋ずつ合わせてテープでくくり、値段を150円にする。
他の売れ残っている野菜達も同様にまとめて叩き売りを始める。
ダンピングされた野菜を目当てに来る客も多く、早くも数人の女性客が野菜を手に取り始めた。
「いらっしゃーい。今日はもうここに出てるだけだよーっ」
親父が通りに向かって声を張り上げた。
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