≪私≫
唐突に涙がこみ上げてきて、慌てて深呼吸を繰り返し、何とか涙を押さえ込んだ。
…こんな所で。
もう、いや…。
いつも行くクリーニング店への道のりである、近所の商店街へ数歩足を踏み入れた途端にこみ上げてきた自分の涙に、やたらと腹が立った。
道の端に寄り、顔を伏せて手提げバッグをゴソゴソと探るフリをして、涙が完璧に消えるのをじっと待った。
意味も無く、携帯電話を取り出してメールをチェックするフリをする。
何やってるんだろう。私。
バカみたい。本当に、バカみたい。私は。
こんな思いをしてまで生きている価値があるのかな。私には。
涙が完全に収まると同時に心が深く沈みこむ。
携帯をバッグに放り込み、クリーニング店へと向かった。
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