一緒に仕事をしていた人間、寮の連中。

俺と関わりのあった人間が見れば一目で俺と分かる手配写真。


ネットでこれだけ取り上げられているという事はテレビでもこの写真が放送されているんだろう…。


とうとうお嬢さんに本当の事を知られたか…。


この場所にとどまらない方が良いだろう。翌朝ネットカフェを出ると空港へ向かった。行先は決めてなかったが、漠然と南の方へ行こうと考える。


これからもずっと、こうやってひとつの場所に留まる事無くさまよい続ける…。

愛した人に二度と会う事も無く…。


…。


「すいません。ちょっといいですか?」


肩を激しく揺さぶられて目を覚ました瞬間、俺は空港の椅子で眠ってしまった事に気づく。

顔を上げ、俺の周りにいる数人の警官を見て全てを悟った。


刑事に取り囲まれ、そのまま警察署へ移送される。

野次馬と警官とカメラを手にした報道関係者が俺の周りで大声を上げていた。俺のこの姿は当然テレビで放送されているんだろう。


警察署へ着き、個室に入れられる。終わった。何もかも。今の俺には何も無い…。

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