部屋に入りベッドに腰掛け、両手で頭を抱えながら大きくため息をつく。


何度振り払っても、お嬢さんの笑顔や、俺とキスをしている時の彼女の瞳、彼女を抱きしめた時の体の暖かさが頭の中を駆け巡った。


ポケットからお嬢さんの写真を取り出す。


お嬢さん…お嬢さん…!

忘れる事なんてできなかった。


毎日、思うのは彼女の事ばかりだった。

せめて…。

せめて声だけでも聞きたい。

ほんの少しだけでいいから。

声だけでいいから…。


そう思ったのに、実際に彼女の声を聞いてしまうと、会いたい気持ちを抑えられなかった。


自分の居場所を彼女に告げてしまい 、彼女に会える喜びと、自分の意志の弱さへの腹立ちと、やっぱり彼女を巻き込むわけにはいかないという思いが、ないまぜになった。

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