≪俺≫
9月2週目の土曜日。
珍しく撮影が無かったので朝からお嬢さんと会った。
お弁当を作ってきてくれた彼女と久しぶりに公園へ行って彼女の弾くヴァイオリンを聴いた。
お嬢さんの親父さんの好意で用意してもらった東京の一人暮らし用のマンションはすでにガス・水道・電気が使える状態になっている上、冷蔵庫やテレビ等の家電も揃っていた。いつ引っ越しても大丈夫な状態だった。
直樹も同じマンションで、俺の隣の部屋だった。
お嬢さん「達也さんってお料理できるんですか?」
俺「いや。ほとんど出来ないな」
彼女が作ってきてくれた炊き込みご飯のおにぎりや、だし巻き卵、野菜の煮物、チキンのハーブソテーを食べる。いつも野菜が多めで、とても美味しい。デザートにフルーツも用意してくれていた。
お嬢さん「じゃあ、一人暮らし始めたら外食が多くなっちゃいますね」
俺「そうだね…。お嬢さんは料理上手いね。正直言うと付き合い始めの頃、こういう事一切できない人だと思ってたよ」
ひどーい。と、笑いながら俺を睨む彼女に言った。
俺「いつか、俺の部屋に料理作りに来て欲しいな」
お嬢さん「うん。行きたいです」
いっそ東京に連れて行ってそのまま一緒に暮らしたい…。彼女の笑顔を見ながらそんな事を思った。