〇大正8年全生庵発行。これは昭和38年に復刻されたものです。大正8年当時には山岡にかかわった人たちも多数存命の時期で貴重な文献です。

 

〇現代口語文に近い形になおしました。

〇鉄舟本の多くが引用している部分がありますがそのまま載せます。

 

●幕府への建白書草案 以下皆清川八郎氏筆跡

 

●一、浪士募集の儀は東西地方の風儀もあるので、各地方に取り集め、大阪鎮海に呼集したり、江戸に繰り出したりするなど、いずれも不都合のないように命じられるよう存じます。

 

●一、将軍御帰城の上、攘夷をなさるべき処、英国夷のことで臨時に出府。その前に交渉の拒絶になってしまったら、いつ戦争が始まるかも予測できず、征夷大将軍は第一の義であるので、私共で右の条々を建白いたしました上は、速やかに関東へ戻られそれぞれ、攘夷に向かわれますよう。

 

●もっとも、幕府の軍備もありますでしょうが、旧来の人数では防御等にてはすこぶる不安でありますので、なお壮健強勇のものを広く募り、交渉の場に差し向わせたいと思いますので、これまた、御勇断くださいますよう。

 

●なお、関東において策略、士気鼓舞の術は関東へ戻ったうえで、その筋へ厳しく申し上げるよう。右在京中の急務のみ建言いたしました。御採択いただけますようお願いいたします。

 

〇読み下しが不正確で意味がつながらないところが出ていますが、御容赦ください。