「不動明王」
筋彫り始まる。
明王とは仏法を守護し、人々を災いや迷いから救ってくれる仏です。 中でも「お不動」と呼ばれ、広く信仰を集めるのが不動明王です。
お不動さまの姿は、煩悩にまみれた救い難い者を救うため、また、仏道の妨げになるよこしまな心を断つため、勇ましい出で立ちをしている。
不動明王は岩座上に立ち、火焔光背を背負い、右手に宝剣、左手に羂索を持つ。
「脇の下ボカシ」
脇の下は、皮膚が薄いため痛みを感じやすい。また、腺だけでなく腋窩神経が存在しているため、強い痛みを感じてしま部位。
針を刺し、彫り進めていても、あっという間に、腫れてくる。
彫る時は、手彫りの時のように、腫れて膨らんだ部位の根本に墨を乗せるように、彫り進める。
そして奇麗な腫れの膨らみを作っていくようにしていく。
バラバラに彫りたい所を彫って行くと、腫れと腫れの間が谷になってしまい、針がその谷を通過してしまう。
するとそこはこまかい彫り残しとなり奇麗なボカシとはならない。
他の部位より脇の下は、とにかく腫れとの勝負。
付け加えて言うと、こればっかりは、人にもよるので、一概ではない。
腫れに対して盛るように彫り進めるのは、古くからの技法ではある。