美しくなりたい

格好良くなりたい

モテたい

 

これって誰もが思っていることだと思うのですよ

素敵な人に出会って、いい関係になるって すてきなことです

 

異性のためだけでもないけれど、化粧をしたり、筋トレしたり、食事に気を付けたり、ファッションセンスを磨いたり、いろんな話題を仕入れたりするわけです

 

その中でも、見た目に直結するのがスタイルですよね

ダイエットや筋トレが代表的だと思います

 

僕もそれなりの数の知的障がいを持つ方と関わってきましたけど、体型に気を付けえている方とは出会ったことがありません

遊びとして運動をしている人は知っていますけど、スタイル維持のために定期的な運動をしている方にも出会ったことがありません

筋トレをしているという方にも出会ったことがありません

不思議なことですよね

 

ここには何らかの理由があると思います

単に「面倒くさい」とか「どうでもいい」っていう気持ちもあると思うのですが、他人からどう見られるかとか、自分がどう見られたいかという意識が希薄なように思います

 

「今 この瞬間の気持ちを大事にしている」といえば聞こえはいいですけど、現在、過去、未来といった時間的な感覚に乏しいのかもしれません

 

それが、障がいの特性ということなのかもしれませんが、ある程度の運動をしなければ、どんどん体は衰えます

 

知的障がい者の動き方が なんか違うなって思ったことはありませんか?

 

走れなかったり、ジャンプができなかったりする人もいます

ラジオ体操をしている姿を見たことがあるのですが、周りの人や見本通りに体を動かせない人もいます

身体がものすごく硬かったりする人もいて、知的障がいと身体障がいはセットになっているようにも感じます

身体を動かすのはだれにでもできるのだけれど、体を思い通りに動かすのは、非常に知的な作業なのかもしれません

 

武道の体の使い方って、ものすごく体を意識して体裁きなどを習得しますよね

意識しなくても自然に体が動くようなところまでもっていって、体になじませる

 

僕たちは、当たり前のように体を動かしてますけど、この当たり前を習得するまでに、武道の修練に似たようなことをしてきているのかもしれません

意識して体得して、無意識で動かす

これはすごく知的な能力が欲求されることなのかもしれません

 

それとは別に筋トレですよ

筋肉芸人といわれる人を面白いなって思ったり、格闘家に憧れたり、漫画のキャラクターみたいに強い人になりたいって気持ちは、たいていの男は持っています

世界一強くなりたいっていうのは、男なら、誰もが一度は抱く願望だったりします

 

けど、筋骨隆々のたくましい知的障がい者にはあったことがないんです

やっぱり、「今 この瞬間の願望や欲望」を最も大切にしていて、一年後に腹筋が割れている自分のために、我慢して筋トレをするみたいな方向には気持ちが向かないのかもしれない

 

知的障がい者と関わるときには、こういった時間に対する意識を考えておかないと、「いつまでたっても、私の言うことを聞いてくれない」なんて怒りを抱くことになりかねない

 

「どういう方向に気持ちが向いているのか」

この観点でかかわらないと、目的地にたどり着くのが難しいように思います

倫理的な方向で気持ちを変えようとしても難しいことがあるのは、こういう理由があるからなのだと思います