レイドジャパン・レベルバイブブーストのインプレです。
このルアーを数年間使用してきて感じたことを書いていきたいと思います。
〇概要、スペック
・ウェイトとサイズ展開
9g、11g :46mm
5g、7g :38mm
2サイズの4ウェイトというバリエーションですね。
同じサイズで下部のウェイトの重さを変えている仕様です。
これによって、例えば9gを使用していて、「もう少し速く落としたい、もう少し飛距離が欲しい」といった時に11gを使用するなど。使い分けができます。
メタルの釣りはウェイトが数グラム違えば全く反応が変わることもありますから、高次元で使い分けたいアングラーも納得のバリエーションです。
9gと11gは、ML~M程度のベイトタックルでの使用、5gと7gはスピニング+PEラインもしくはベイトフィネス、MLまでのベイトタックルでの使用が推奨です。
ルアーとしての括りは一応、メタルバイブだと思います。
ABS樹脂製ボディのため、厳密には中間のような存在と言えるかと。
メーカーさんの説明によると、今までのメタルに感じていた足りない部分を解決するために製作した、とのことでした。
メーカーの説明に「リアクションベイト」と記載があるように、基本的にはリフト&フォールでの使用をメインで考えての設計です。
ただこのルアーの凄いところは、基本的にリフトでの使用を前提に置きながら、巻きでもかなり釣れるというところ。
これはまた後ほど出てきます。
〇特徴、各部の設計
ボディ下部にウェイトを配置しボディ面に金属板を使用するのが通常のメタルバイブレーション。
ブーストもウェイト部はボディ下部に配置されており、低重心で着底時に安定する上に、飛距離も出ます。
ブーストが通常のメタルバイブと違うのは、ボディ面。ここに極薄の樹脂を使用しているため、これまでスタンダードだったメタルバイブにはない特徴が出せるようになりました。
私が使用していて感じるのは、
・スライドしすぎない斜め気味のストレートフォール
・金属板では出せない柔らかい波動(しかし弱くはない)
・樹脂でしかできない艶かしいカラーリング
・コンパクトなのにハイアピール
これらによって、通常のメタルバイブでは釣れなかった魚まで引き出すことができていると思います。
これは感覚的なものだけでなく、実際に同じスポットで他メタルと使い分けて釣果に差が出たという実績からも証明されています。
私のインプレはイメージではなく釣果という実績でもって提示しています。
私は特定メーカーのファンではないため、全てのルアーをフラットな視点から比較していますが、ブーストに関してはこのルアーでしか取れない魚がいたと確信しています。
最後の「コンパクトなのにハイアピール」という点は、メタルと比較して…と言うよりは通常のバイブレーションと比較して優れている点と言ったほうがいいかもしれません。
通常のバイブのリフト&フォールももちろん釣れるメソッドですが、使用感を維持しつつコンパクトであることで、ひとくちで吸い込みやすい利点があるんです。
これは秋冬のタフった時に特に有効。
口が開きにくいような状況でもひとくちサイズで食いやすい=冬にも強いということなんですね。
・アイに関して
通常のメタルバイブにはアイが2つから3つあって選択するタイプが多いですが、これを排除し、アイをひとつに。
巻きでもリフトでも使える位置を吟味して1箇所のみに配置。
これにより、巻きでもリフトでも安定したアクションを見せてくれます。
巻きで使用する際は、メタルバイブにありがちな前傾姿勢ではなく、水平に近い姿勢で引いてくることができます。
また、下画像のようにアイ自体がボディの内側に埋め込まれるような形状になっているため、
巻きで使用した際にしっかり振動を感じることができ、リフト時に力が分散することなくしっかり伝わるようになっています。
(と思われます、メーカー説明には書いていませんが)
これが実はキモになる部分のひとつでして、まさに吟味されたセッティング。
おそらくですが、これ以上前にすると前傾姿勢になる上にリフトでは斜めにしか力が加わらないので角度も浮き上がり方も微妙になるはず。
これより後ろ、頂点付近に持ってきた場合は、リフトでは浮き上がりやすさが期待できますが、巻きでは安定せず、使えなくなるはず。
巻きとリフトを両立した位置というのは、そういう意味です。
よく考えてあるなと感心しますね。
・フックに関して
メタルバイブでは定番のダブルフックではなく、トリプルフックを採用。
オリジナルのフッ素コートのもので、刺さりが良いです。
おそらく、最近のDUOさんのルアーに着いているフックと同じものだと思います。
このフックは掛かりも良いのですが、ダブルフックのメタルと比較して、バラしが少ない!
これは本当に実感します。
さらにすごいことに、意外なまでにスタックが少ないんです。
通常トレブルフックでボトム付近を攻めるとなるとスタックがかなり心配なのですが、ダブルのメタルと比較してもロスト率はほとんど変わりません。
おそらくですが、重心を下に集中させていることでボトムに着いた時に倒れ込まず、
姿勢が安定してるからではないかと思います。
ほとんどリアフックはボトムについてないような印象です。
私はフックはそのまま使用することが多いです。
スタックが多そうな場所では、フロントのみダブルに変更することがあります。
ただし、強度はそこまで高くないのは事実です。
なのでこのルアーを使用する場合は、(メタルは全てそうですが)、オーバーパワーのタックルはやめたほうがいいです。
MH以上に14lbとかテキサス撃ちに使うような中量級以上のタックルでやると、フックが負けて曲がったり折れたりしますよ。
たまにブーストやメタルのインプレでフックが弱いとか折れたとか書いてる人を見かけますが(TCコートのリューギフックも同様)、たぶんフックセッティングの意味がわかってないです。
掛かり重視の敢えて細軸を用いているのですから、使い手がタックルバランスややり取りを考えないといけません。フックのせいにしちゃダメです。
それなら最初から太軸に付け替えてやりなさいという話なんです。
ちなみに私はブーストやメタルで2キロクラスを掛けていますが、ファイト中にフックが折れたことは一度もありません。
※曲がったフックを戻そうとして力を入れすぎると折れやすいので注意です。
〇使用方法と使用感
続いて、使用感についてです。
先述の通り、巻きでもリフトでも使用できるルアーです。
まず巻きに関しては、ハイピッチでビビットなバイブレーションを感じることができます…メーカー説明通りです(笑)
ひとつ付け加えておくと、ソリッドボディだから出る波動と、サイレントによる食わせの力。これも効いてますね。
通常のバイブ、ラトル入りのものと使い分けることで巻き用ルアーとしての運用も十分ありだと思います。
ただ、私は9割リフトでしか使わないため、すみませんが上記は付け足し。重要視していません。
巻きでも使えるという部分で買う方もいると思うので、一応書きました。
メインはやはり、リフトでの使用感とレスポンスです。
これが絶妙でして。
現存するメタルバイブの中で、立ち上がりとレスポンスNO.1はフルメタルソニックだと思います。公言している通り。
ちなみに個人的意見では2番手はサーキットバイブ。
次にその他のメタルバイブが続くのですが、ブーストはそのメタルバイブたちと変わらないぐらい立ち上がりもレスポンスも良いです。
これが凄い。
メタルバイブ自体が薄いから通常のバイブよりもレスポンスが良くなるのは当然…のはずですが樹脂製のブーストがメタル並のレスポンスなんです。
これは先程から記載しているように、極薄のボディ設計をしているから。
まさにこれがブーストが唯一無二である部分です。
まとめると、樹脂でしか出せない波動を実現しつつメタル並の使用感を両立させたバイブということですね。
素晴らしい。
〇カラーに関して
樹脂製のため、メタルよりも艶かしいカラーを使用できるのが特徴。
特に透けギルカラーのレイジングブルとブラック系統のフルスモークはブーストにしかできないカラー。
また、定番のキンクロやシルバーフラッシュ系に関しても通常のメタルのようなギラギラ感がなく艶のあるカラーリングに仕上がっています。
しっかりツボを抑えていて無駄なカラーがなく、逆に良いです。
フルスモーク以外は、どれを選んでも基本釣れます。
フルスモークは茶濁りの野池でしか使用しないため比較が十分にできていません。。
あえて言うなら赤系があっても良かったかな?とは思いますが、赤や青のような、そんなに売れない極端なカラーは割り切って除外したのではないかと思います。
※2017年秋に4色新色が追加されましたので、追記します。
上から順に、モヒート、はぐれ稚魚、ダッピ、レッドクローです。
待望のアユ系シルバー系統カラー、モヒートが追加されましたので私メイユーは即確保しました。
アユ系じゃないやろって。
いやいや、これは見方によってはアユ系なんですよ(笑)
リトルマックスで実績最多のメタリックアユカラー。そのブースト版として期待大のカラーです。
ちなみにモヒートは早速、
メイユー的おすすめのカラーは、上記のモヒートに加えて、キンクロとアイスバックです。
この二色があれば基本どこでも対応可。
特にキンクロは素晴らしい!
神カラーだと思います。
この反射を抑えたゴールドフラッシュが
なぜかものすごく効くんですよね。
色んな時に。
通常のキンクロの、ギラギラとした
フラッシングを嫌う魚にも効果的な印象です。
今のところこのルアーでの最大魚となる50アップを釣った時もキンクロでした。
稚ギルはギルが多ければ有効な気がしますが、カラー自体の強さはアイスバックとそう変わらないため、好みで。
みんなギル好きですよね(^_^;)
模様でぼかすクランキングと違って、メタルには模様は重要ではないというのが個人的意見です。
それよりも面が広くフラッシングするカラーのほうが実用的だと私は思います。
もちろん、よく釣れるカラーではあります。
濁りがキツければ膨張系のシマナシタイガーを入れてもいいですが、優先順位は低めです。
もし一色だけなら、フラッシングと膨張系のどちらも備えたチャートバックとピンクバックも価値はあるのですが。
キンクロ・アイスバックと比較した時に、やはりどっちつかずの中途半端感で…実績で見ても釣り負けているため、私の中では無くても困らないです。
見た目は綺麗なので、好みで。
どちらも、
普通に釣れるカラーですが。
〇欠点
こうして見るといいとこだらけのルアーですが、欠点は強度ですね(^^;
キャストミスで岩や護岸などにぶつけようものなら、ほぼヒビが入ります(ー ー;)
最悪、割れて一発で使用不能になります。
ぶつけなくても、
通常のリフト&フォールを繰り返す中で
岩などに触れ、
ガタガタになったり塗装がすぐ剥がれたりします。
樹脂製でかつ、普通のバイブより薄く作ってあるためだと思われます。
しかしこの薄さでないとあの操作感は実現できないため、仕方ない部分ではあると思います。
あと付け加えるなら、値段が高い。あのサイズの樹脂バイブで1300円はメタルとしては高いでしょう。
どうしてもロストしますしね…
生産数も少ないため、欲しい時に買えないというのもネック。
私は、ある時にストックするようにしています。
さていかがだったでしょうか。以上がインプレでした。
それまでになかった画期的なルアーとして、メタルの釣りにバリエーションを持たせてくれたルアーとして、非常に価値のある存在だと思います。
皆さんもぜひ、試してみてください。